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2007年08月20日

白秋・ラーメン・そして温泉

月曜日・晴れ / 外気温34度
6時半起床。M家での目覚め。朝のうちは曇り空、途中で小雨にもあったがやはり暑い日であった。今日は柳川にある北原白秋の生家、そして橘伯爵家住居を訪れたあと久留米駅から湯布院へと向かう。

Mさん手作りの心のこもった朝食をいただいたあと、車で柳川に連れて行って貰う。「柳川」という名前には特別な思い入れがあるのだ。もちろんその一つは詩人・北原白秋の生家があるということ、そしてもう一つはテニスの強い柳河商業高校のある町であるということ。30数年前に故郷のいわき市でインターハイのテニス大会があったときに、柳河商業高校チームの圧倒的なスピードと強さに驚嘆したのだった。(この時にわたしはボランティアでおこごましいことに審判もしている)あの大会のスター的存在でもあった双子の坂本兄弟というのは素晴らしかった。

image 折りから白秋の生家を訪れたときに小雨が降ってきた。数多い白秋の詩に思いを馳せると、しっとりとしたこの小雨はいかにもふさわしい。そしてこの雨は白秋の生家を見終わって次の目的地に着いたときには既に上がっていた。おあつらえ向きの舞台を作ってくれた天に感謝。彼の生家は造り酒屋であったということで、地方の素封家であったことは確か。

image わたしは高専時代に男声合唱に参加して大いに楽しんでいたのだが、その頃に歌ったものに白秋の詩による「柳川」があった。それを口ずさもうと思ったら歌詞を忘れている。ここには絶対に資料があるはずと思っていたらやはりその詩が書かれた標識があって、今日はそれを思い出させて貰った。括弧の中はテノールのソロの部分でそれをわたしが歌ったのかそれとも素晴らしい声を持っていた級友の I くんが歌ったのかはどうもハッキリ思い出せない。

image 白秋の生家を出てから次に、立花伯爵家住宅に連れて行って貰う。ここはわたしはまったく知らなかった。柳河藩主であり明治になって伯爵に叙せられた立花氏の住宅である。玄関として作られた西洋館が東京芸大の奏楽堂によく似ているのでとても懐かしく思った。Mさんは20年ほど前(!)にこの西洋館の一室でモーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」の演奏会形式を企画、成功させている。オペラに対するMさんの熱い思い入れはまさしく本物である。

そこから久留米駅まで送っていただいたのだが、数分の差で予定していた列車に乗り遅れた。次の列車は 15:10 なので、ちょうどお昼時でもあるからとMさんお気に入りのラーメン屋に案内していただく。「汚いお店ですけどトラックの運転手さん達に人気があるんです」と聞いたときにそのうまさを確信する。(^_^)

戸を開けて入ってみると、外観も内部も確かにきれいではないが不潔ということではない。それにかなり大きいのに席はほとんど埋まり活気がある。スープは豚骨で、博多の豚骨ラーメンほど白くはないそうである。想像していたほどしつこくも脂っぽくもなく、どこか素朴な味わいの感じられるものだった。スープも残らず飲んで大満足。

食べたあと久留米駅まで送っていただき、そこから列車で湯布院へと向かう。列車の中では心地よい満腹感と適度な車体の揺れにほとんど寝入ってしまっていた。午後4時半頃に湯布院に到着。ここにはMさんが提供してくれた別宅があり、24時間入れる温泉が引かれている。わたしの温泉好きをご存じで、今回の九州旅行の疲れを癒やしていったらどうですか、というありがたいお心遣いに遠慮なく甘えることにした。

ということで、今夜から二泊この別宅を一人で使わせていただくことになる。標高が700メートルほどあるということで、夜になると清々しい冷気が網戸を通して入り込んで来るから冷房要らず。明日はなにもせずに温泉三昧の日を楽しめそうである。