仙台へ

4月20日・土曜日 / 最高気温12度(仙台市)

昨夜はこのホテルの大浴場に入って1時間あまりゆったりしたせいか、それとも時差ボケの疲れが取れたからなのか夜中に目が覚めることなく7時半までグッスリと眠ることが出来た。

昨日のうちに仙台近郊に住む姉と連絡を取って仙台市内で会うことに決めていた。彼女も1人だと外へ出ることが億劫になっているらしく、展覧会を一緒に観に行くというわたしのアイデアに喜んで出てきてくれた。9時51分、東京駅発の特急に乗るので少し朝が慌ただしかったけれど,曇り空の東京をあとにした。

食べた朝食が列車に乗ってしばらくしてから胃の中でこなれ始めたのか強烈な眠気に襲われる。ふと目が覚めたら仙台駅に到着する10分ほど前だった。寝過ごさなくて良かった。(^_^;) 待っていてくれた姉とそこから仙台市博物館へと向かう。彼女も80歳なのでタクシーを使おうと提案したら「歩きましょう」と言われてちょっと驚いたが2人で歩き出す。駅からは歩いても10分ほどの距離なのだが姉に付き合ってほどほどの速さと歩幅で歩いた。

IMG_4772お目当ての展覧会は江戸時代の画家、伊藤 若冲の作品を集め「若冲が来てくれました」と銘打ったもの。アメリカに住む伊藤 若冲のコレクターが,奥さんが日本女性であるということもあるのだろうが、東日本大震災で被害を受けた人々を元気づけたい、という目的で作品を貸してくれたらしい。この展覧会のことはしばらく前にポッドキャストを聞いて知った。評論家の山田五郎氏が熱を持ってこの作家と展覧会のことを紹介していたのが凄く印象に残っていたのだ。

IMG_4767わたしは仙台市内を歩くのは初めてなのでとても興味があった。あいにく今日はまるで冬のような寒さと風。それだけが心残りだったが反対にすでに終わったと思っていた桜の花が見られてそれは嬉しかった。博物館は城趾の中にあってこぢんまりとした好ましい広さ。観客もほどほどの入りで作品を楽しみながら見て回ることが出来た。伊藤 若冲という江戸期の画家のの技巧の確かさと遊び心のようなものを暖かく感じて3時少し前にそこをあとにする。

帰り道も歩いたのだが、この頃になって冷たい風が強くなり冬のコートが欲しいくらい。駅の近くまで来て姉が知っているというお寿司屋さんに入ろうとしたらそこは夕方5時からの開店ということだった。仕方なく駅に近いビルの二階にあった回転寿司屋に入った。

そこはもちろん従来のベルトコンベア式になっているのだが、加えて iPad のようなタッチパネルで注文できる仕組みになっていてわたしには初めての経験だった。姉はそれを見てパニックに陥ってしまい「わたしは1人では来られないわね」とガックリした様子。お茶は自分でお茶の粉を茶碗に入れ蛇口のようなところを押すのだったが、粉のお茶を姉はワサビだと思って醤油の小皿に入れようとした。実をいうとわたしも同じことをしようとした。(笑)

2年振りかで会ったのでいろいろな話題に花が咲き話し込んでいたがふと時計を見るとわたしが指定券を予約した時間まであと20分くらいしかない。急いで会計を済ませ駅へ向かった。姉とは駅の少し前で別れを告げ、そこから走ってようやく目的の列車に乗り込むことが出来た。やれやれ。昼に飲んだビールの酔いもあったろうが列車の中では爆睡。目が覚めたのは大宮駅を過ぎたところだった。

ホテルの部屋に入ってホッと一息。いったん荷物を置いてからホテルの近くにある蕎麦屋で軽く盛りそばを胃に収めて今日も終わった。明日は故郷のいわき市にもう1人の姉を訪ねる予定。