仕事への姿勢・東西

数年前からTBSラジオのポッドキャスト「荒川強啓 ディ・キャッチ」を聴いている。今週7月15日はその中の「メキキの聞き耳」というコーナーでスポーツジャーナリスト生島淳さんが「メジャーリーグのオールスター・その裏側!」というテーマで興味深い数々をレポートしていた。

彼はメジャーの選手たちは自分の出番が終わってしまうとさっさと着替えて帰ってしまい、試合終了まで残ってはいない。ということを話していた。対する日本のプロ野球チームではチームプレーが大事ということでそういう事は無いらしい。そこで思い出したことがあった。

日本への引っ越し公演があると” Die Meistersinger von Nürnberg “とか” Lohengrin “とかの演目では日本人合唱に手伝って貰う。本拠地だとエキストラコーラスがその役を務めるのだがいろいろな事情でその人達までは日本へ連れていけない。

で、彼たちが驚いた顔でわたしに聞いてきたのは「皆さん、自分の出番が終わるともの凄いスピードで化粧を落とし、着替えて、われ先に帰ってしまうのですね。こんな素晴らしい公演の余韻に浸って仲間と話し合うということはしないのですか」ということだった。

野球のメジャーリーグと合唱団の共通点は1シーズンに120試合あるいはそれ以上、ミュンヘンオペラの合唱団もほぼそれぐらいの出番があることだ。正直に言って毎回余韻を楽しむということは無い。自分の出番が終わると皆一目散に家路を急ぐ。外から見ればそれが「家庭を大事にしている」と写るのかもしれない。

わたしも合唱団に入って最初の頃にある仲間に「家庭ってそんなに急いで帰るほど楽しいものなのか?」と問うたら「おい、君の家庭は大丈夫か?奥さんとの仲がうまくいってないのか?」と逆に心配されたことがあった。(笑)

ドイツの場合、仕事仲間が退社後に誘い合って飲食するという事はまず無い。わたしは最初それを物足りないと思ったが、慣れるとこれは快適であり、薄給の身には散財しなくて済むので嬉しいことでもあった。(笑)

これは欧米の徹底した個人主義と日本のそれとの違い、そして、仕事に向き合う姿勢の相違から来ているのだろう。

仕事への姿勢・東西」への2件のフィードバック

  1. こんにちは~

    オケの連中もそうですよね。
    ミュンヘンへ私が行ったときなどは、終演後に何人かと一緒に呑みに行く事が多いんで、私が来るとたまに皆で呑むいい機会だ と、変な喜び方?をされてます(笑)

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