10歳ーその1

昨夕ブリギッテは帰宅後すぐに週1度の体操へ出掛けて行った。8時頃には終わるのだがその頃に電話があり「いま、迷子の男の子の世話をしているから少し遅くなります」という知らせ。彼女は帰宅してからその内容を話してくれた。

彼女が体操を終わって出てくると10〜11歳ぐらいの男の子が「ぼく、自分が今どこに居るかもわからない。Eierwiese まで行きたいんだけれどそこはここから遠いの?」と話しかけてきた。子供の足でそこまで行くのはちょっと距離があるので「どうしたの?」と訊いたら友だち3人で遊んでいて喧嘩になり友だち2人は彼を残してどこかへ行ってしまったらしい。

今の時期、午後8時というとミュンヘンはもうすでに暗い。頼りなさそうでまつげの長い可愛い男の子1人では最近の世情を考えるとなにかと物騒である。ブリギッテが「わたしの携帯を使って家に電話しなさい」と言っても「そんなことをしたらお母さんに叱られる」と断るので、「そんなことは絶対にないから。お母さんは心配してるよ」と言い聞かせて電話をさせた。

彼のお母さんは驚いて迎えに来ると言う。やはり心配していたようだった。ブリギッテは彼をお母さんと打ち合わせた待ち合わせ場所まで車で連れて行ってお母さんの到着を待った。その間彼と会話をしたのだが、
「世界で一番優しくて大好きな両親なんだ。もうしばらく怒られるようなことをしていなかったのに、今日は絶対に叱られるだろうなぁ」としょげかえっている。その様子がとても可愛らしかったそうだ。

待っていたお母さんはブリギッテへのお礼にワインを一本持って駆けつけ一件落着となった。

10歳ーその1」への4件のフィードバック

  1. 子ども時代って心震えるような心細いことがたくさんありましたね。だからって「早く大人になりたい!」とも思わなかったような気がします。私はボンヤリしていたのでしょうね。

    • 時代じゃないかな。(^_^;)
      昭和20年代後半の頃の子供達はボンヤリして遊びほうけていたような気がしますよ。

  2. その時にやさしく方法を考えて子どもに説得して親元に連絡してあげた行為はすばらしいですね。子どもって健気ですね。大人は子供のころの気持ち忘れてしまって「大人」していますね。誰でも子どもだったのに。

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