10年ぶりに外人局を訪れた

ミュンヘン市の 外人局(Ausländerbehörde)に行ってきた。日本の10年間有効のパスポートの期限が切れるのでまた10年の延長をした。すると自動的にドイツの滞在許可証も更新しなくてはならない。この2つは紐ついている。

今の時期は多くの難民が登録に来ているので外人局はてんてこ舞いで大変なことになっているだろうということは予想していた。ホームページを見たら滞在許可証の延長は予約を取ってから来て欲しいということが記されていたので,しばらく前(12月12日)に申し込んで今日(12月23日、午前7時半)に予約が取れた。今朝は久しぶりの5時起きである。

公共交通機関は何が起こるかわからないので余裕を見て7時に外人局に到着するように家を出た。まったく問題なく7時に到着。扉の前には既に20人ほどの人たちが待っていた。開館は7時半である。ただ並んで待っているのも退屈なのでその周辺を20分ほど歩き回ってから7時半に入館。開館直前は想像していたほどの人数ではなく50人ほど。

まず受付でわたしの行くべき部屋はどこにあるのかを確かめる。この時に「オヤッ?」と感じたのは受付の係員が微笑を浮かべながら応対してくれたこと。10年前とはずいぶん違うなと一瞬思った。わたしはまったく正反対の,応対に疲れてぶっきらぼうで不機嫌な受付を想像していたのだ。少なくとも10年前の記憶ではそうだった。

外人局の内部というのは結構広くて迷路のように入り組んでいる。名前のアルファベット別に入る部屋が決まっている。

ここでも昔の記憶が蘇ってきた。例えば安倍という姓なら「A〜C 」というシールの貼ってある部屋に入るわけだ。そしてこのアルファベットによってどんな係員に当たるかが、運不運の分かれ目だった。

ひどい係員に当たるとまったく話が進まずに難癖を付けられることがあったりしたのである。わたしの場合は奨学生として入国しその1年後から劇場の仕事に就くことになったので就労ビザを取る手続きが複雑だった。その時の記憶は嫌な思い出として残っている。

今回は予約を取っていたので待つこともなく受付のあと指定された部屋にスンナリと入ったわけだが、なんだか空気が違う。対応してくれた女性も常に笑みを浮かべていて指摘することも簡潔・明瞭。これなら街の商店の売り子さんよりも感じが良い。ミュンヘン駐在の日本人をお世話している女性にすぐに SMS でこの点を報告してみた。

「今、Ausländerbehörde に来ています。係員の態度が10年前に比べたらずいぶん親切になったような印象です。ドイツも「おもてなし」とか考えているんでしょうかね。」

すぐに返事が返ってきた。

「確かにそうですね。ある時期問題やクレームが多かったので、部屋も中でつながっていたり、複数で座っていて汚職や外国人への暴言が無いようになってます。改善したのはいいことです。」

やはり、10年の間にはいろいろとあったのだ。日本の外人局も訪れる外国人には親切に応対して欲しいなぁ。

10年ぶりに外人局を訪れた」への4件のフィードバック

  1. 興味深い話ですねえ。日本の役人は優しく接してくれてるのでしょうか。そうしていることを望みますが。

    • 本当にそう望みたいです。差別される側に立ってみないとその辛さが分からないというのは事実です。ドイツと比較してみると日本のほうが外国人に対する免疫は薄いような気がします。しかし、この辺の情報はあまり出てきていないようですね。

  2. 我々のように小さな街に住んでいると、外人局が小さいのがいいところです。
    待ち時間も20分も待てば長い方です。ほとんど待ち時間なし。
    いつも同じ職員だし、一つの申請に関しても話が前後することがありません。
    一方で、特殊なケースに対する経験が少ないのが難点です。ちょっと変わった件になると法律の解釈を巡って右往左往する様です。
    そういうコーブルクの外人局も、12年前に我々が引っ越ししてきた時は2人の職員でやっていたのに、今ではアルファベット別に振り分けられ、5人の職員に局長の6人になりました。
    別に悪いことをしたわけでもないのに、行くたびに感じる緊張感は何なんでしょう。

    • ミュンヘン郊外に住む日本人の知人もしばらく前に更新したのですが、係員がとても親切だったと離してくれました。ドイツ全体がそうなっているようですね。悪いことじゃないです。(^_^)

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