Marcello Viotti 氏のこと 


一昨日2月16日に指揮者のMarcello Viotti 氏が亡くなられたそうです。まだ50歳という若さでした。 

2月15日にNationaltheaterの観客席を使って行われた緊急の集会 (Personalversammlung) のときに、Sir Peter Jonas がMarcello Viotti 氏の急病を伝えたのですがその時の説明では「彼の家族はすでに最後の別れを告げた」ということだったのです。しかし、公式には彼の死がまだ伝えられてはいなかったのでわたしもこのBlogでそれを書くのは控えておりました。彼の奥様と4人のお子さんたちのためにも、どこかに一縷の奇跡を望んでいたこともありました。

しかしまだ50歳という若さですから、なんとしても彼の早すぎる死は惜しまれます。どこかで書かれていましたが「カリスマ性のある指揮者」というのは最近の彼を見ていてわたしも感じるところでした。ミュンヘンで始めて彼の指揮で歌ったのはかなり前ですが、それでも5,6年前だったような記憶があります。ハッキリ調べてみないとわかりませんが…。

その時に受けた印象は彼の陽性な気質と若々しい振る舞い、そしてときおり感じさせる音楽的潜在能力の大きさでした。「仮面舞踏会」(記憶がちょっと怪しい)などから振り始めたような記憶があるのですが、そのあと「アンナ・ボレーナ」「清教徒」などグルベローバが歌うベルカント・オペラを頻繁に振るようになりました。

そのあと時間をおいてしばらくぶりに彼の指揮に接したのは1,2年前。その時には若々しさというよりはギラギラとした雰囲気を感じさせる指揮者に変貌していて、わたし自身も驚いた記憶があります。これが「カリスマ性」ということなのかも知れません。これは巨人軍の王選手の現役の絶頂時に、ネット裏で間近に彼を見て感じたものにそっくりでした。軀全体から発する「凄み」と言っても良いと思います。

まさに、これからバリバリと仕事をして花開くところでしたから、オペラ界にとっては本当に残念なことです。合掌。 

Posted: 2005年02月18日 (金) at 13:38 




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