「ロメオとジュリエット」の舞台稽古始まる 


5月30日に初日が予定されている新演出のオペラ「ロメオとジュリエット」/グノー作曲 の舞台稽古が今日から始まった。わたしはこのオペラ、各パート2人ずつの控えに回っているので同僚が休まなければ出番が無くて楽なのだが、今までの例では必ず誰かが休むのであまり意味がない。ほとんど全部の練習に付き合うことになりそう。(^_^;)
今日も同僚の一人が病欠だったので出なくてはならなかった。今日は最初に演出家のコンセプト(計画、草案)説明があって、そのあと舞台稽古に入った。 

「ロメオとジュリエット」の物語は映画にも度々なったりしているので、誰でもが知っていると思う。わたしにとっての映画の刷り込みはやはり『オリビア・ハッシー』( OLIVIA HUSSEY) がジュリエットを演じた映画。もう何回見ただろうか。そのたびに彼女の生き生きとしたはじけるような表情に感動してしまう。

しかし、今回のオペラ版『ロメオとジュリエット』はそれを想定しているとかなり裏切られることになりそう。初演前にあまりバラシテしまうのも良くないので控えるが、いがみ合う二つの家系「モンテギュー」「キャプレット」はライバル学校という設定になっている。それぞれの家系の使用人はそれぞれの学校の生徒というわけで制服を着て登場するわけである。男は半ズボン、女性は短いスカートという風。(^_^;)

こういうちょっと過激とも思える演出というのはここ10数年、ドイツの主要な歌劇場で多くなってきている。数年前にハンブルク劇場で新演出初演された『ローエングリン』は、クラスの中でのいじめがテーマで、エルザがいじめられ役で、それを救うのが転校してきたローエングリンという設定だった。こういう演出の読み替えというのは年配の方達には我慢の出来ないことらしいが、これを指示する若いオペラ観客の層もあるわけで、オペラという伝統芸術をこれからの新しい時代に沿ったものに、という意図から見ると間違ってはいないのかもしれない。

今回の注目はロメオ役を歌う今が盛りのテノール Marcelo Alvarez (マルセロ・アルバレス)だろう。この人はアルゼンチンの人でミュンヘンでも『ランメルムーアのルチア』のエドガルド役を歌っている。このテノールは素晴らしい。なによりも今が旬。もうCDも数枚出ているが、オペラになじみのない人でもこの人が録音したタンゴのアルバム MARCELO ALVAREZ/アルバレス・シングス・ガルデル わが懐かしのブエノスアイレス を聴いていただければその素晴らしさがわかると思う。 

Posted: 2004年04月28日 (水) at 22:37 




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