ちょっといい言葉 


今日の午前中の音楽稽古で、新しい、われわれの合唱指揮者がちょっと良いことを言った。 

今日も "Romeo et Juliette" の男声合唱の部分をさらったのだが、われわれから「またか〜」という雰囲気を感じ取ったのかも知れない。彼が言った。

われわれの劇場はレパートリー劇場であるから、一番怖いのは、毎日の公演が、ルーチン化してしまうことだ。芸術の世界で一番気をつけなくてはならないのは、その点にある。わたしは、ここで毎回、皆と一緒に練習する時には、全く新鮮な気持ちで作品に取りかかることを自分に課している。舞台の上では何が起こるか全くわからないから、どんなアクシデントがあったとしてもわれわれのする音楽は "Bombensicher" (爆弾が落ちてもゆるがない)でなくてはならない。そのためには時間を掛けるしかない

彼の言っていることは、至極、当たり前のことですが「ふ〜ん、この人なかなかいいこと言うじゃないの」と思いました。

「レパートリー劇場」というのは50〜60ぐらいのレパートリーを持っていて、その中から作品を選び、年間を通して公演している劇場を言います。オーケストラも、合唱も、それくらいのレパートリーを持っているわけですから、理論上はその中のオペラだったらすぐに上演できてしまうということです。舞台装置も舞台衣装もレパートリーの分だけ保管しなくてはなりませんから、それらの管理、保管しておく倉庫、そして勿論、人件費など、莫大な金額になります。国や、州などの公的機関からの財政的な援助が無くてはとうてい賄いきれるものではありません。今、レパートリーシステムを取っているのは、ドイツ、オーストリア、スイスぐらいでしょうか。 

Posted: 2004年02月16日 (月) at 17:41 




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