St. Petersburger Philharmoniker （旧レニングラード・フィルハーモニック・オーケストラ）を聴く 


またまた、WINDERSTEIN の演奏会の切符が回ってきた。ブリギッテの勤め先の店主夫妻が定期会員になっているのだが、お忙しい方たちなので今回も自分たちが行くことはかなわないらしい。 

ブリギッテも今夜は疲れているので余り乗り気がしないらしい。カローラが聴きに行くのが一番良いのだろうが彼女も連日のハードスケジュールで今夜はまたフルートのレッスンがあるそうだ。というわけで今日が休日のわたしと大学が休暇中のユリアが行かせて貰うことになった。 Internet で前もって調べてみると今夜のプログラムは次のようなもの。このプログラムならオーケストラが余り好きでないユリアにも取っつきやすい。(^_^;)
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St. Petersburger Philharmoniker
Yuri Termikanov
Arabella Steinbacher Violine
PROKOFIEFF: Sinfonie Nr. 1 D-dur op. 25
MENDELSSOHN: Violinkonzert e-moll op. 64
MENDELSSOHN: Sinfonie Nr. 4 A-dur op. 90 "Italienische"
RAVEL: Daphnis et Cloé  
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メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトをわたしが初めて聴いたのは15歳の時。それまでオーケストラ音楽に無縁だったわたしはその年の４月に開校した高専の化学科に入学。まだ仮校舎だった古い建物の中に作られた学生ホールにステレオが備え付けてあって、そこで初めてこの曲を聴いたのだった。冒頭の甘美なバイオリン独奏の旋律に陶然となってしまったことは明確に憶えている。交響曲「イタリア」もわたしは大好き。その時の気分によっては第３番の「スコットランド」もいい。余談になるが「スコットランド」のある部分を聴くと、むか〜しのNHK大河ドラマ「平将門」（加藤剛が主演）を思い出してしまう。似たような旋律が使われていたのかも知れない。

さて、聴いたあとの感想。先回も書いたと思うのだがわれわれの席は第１列目の左側で、音がどうのこうのと言える場所ではない。とにかく第一バイオリンの生の音が聞こえてきてオーケストラ全体の音のバランスは頭の中で想像するしかない。(^_^;)　ただ、独奏者と指揮者の表情だけはすごくよく見える。指揮者の Yuri Termikanov は風邪を引いているらしく演奏中に何度もハンカチをとりだして鼻をかんでいた。メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトの時も、バイオリンだけのソロの部分でおもむろにハンカチで鼻をかみだしたときにはさすがに少し興ざめだった。Arabella 嬢はすらりとしたスタイルも素敵だし、とても美人でもある。(^_^)

最初のプロコフィエフはちょっとリズムに乗りきれない面があって、もう少し軽妙さが欲しかったが、バイオリンコンチェルトから段々良くなってきた。ソリストの Arabella Steinbacher 嬢は相変わらず素晴らしいテクニックで堂々たる演奏。途中微妙な部分が２箇所ほどあったがその時にはコンサートマスターと目配せして合わせていたようだ。あの指揮だとちょっとわかりにくいかも知れない。アンコールは２曲（イザーイの曲ともう一つはバッハの無伴奏ソナタから）弾いてくれたがこれも素晴らしいものだった。休憩になって、Arabella 嬢のお母さんから声を掛けられて久し振りに少し立ち話をする。

休憩のあとの「イタリア」はさらに音が練れてきた感じで楽しめた。ここまでは普通のオーケストラという感じだったが最後のラベルになってこのオーケストラの真骨頂が聴けたような気がする。急に演奏会場の空気が変わったかのような圧倒的な音色と厚みが出てきて、わたしは少し興奮気味。ラベルのオーケストレーションの巧みさは分かっていたつもりだが、この曲ってこんなに面白いものだったかしら。今夜はもう遅いので、明日になったらレコードを捜して聴いてみようと思う。確かアンセルメが指揮したスイスロマンドのLPを持っているはずだ。アンコールは曲目は分からないがほとんどユニゾーンで奏でられるゆったりとした、いかにもロシアの大河を思わせる曲で、これも小品ながら素晴らしかった。盛りだくさんのプログラムだったけれど、わたしもユリアもとても楽しめた演奏会だった。23時少し前の帰宅。
 

Posted: 2006年02月07日 (火) at 18:30 




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