「ロメオとジュリエット」初日 


快晴/14度〜27度
朝から素晴らしい天気の一日。ユリアは仲の良い友達と10時からテニスをする約束をしたらしく、9時に起こしてくれるようにと頼まれていた。普段の日はたたき起こす感じでやっと起きるのだが、今日はスンナリと起きてくる。現金なものだ。(^_^;) 

そのうちにカローラも起きてきて、11時頃からテラスでの朝食となる。この時間でも、バターなどは日向に置くと溶けてしまいそうな陽の強さ。今日のような日は一日中ボヤ〜ッとしていたいな、と思うけれど、今夜は "Romeo et Juliette" の Premiereがあるので17時半頃に家を出なくてはならず、ちょっと残念な気がする。

朝食のあと、そのままテラスで、日本から送られてきた雑誌「サライ」を読む。白州次郎のことがかなりの量で載っていて読んでいて面白かった。「紳士道を貫いた昭和の快男児」だそうである。たまたま、今、読み続けている「四十七人の刺客」という本の主人公「大石内蔵助」とちょっと相通ずる部分を感じて興味深い。やはり自分の思う道を貫き通そうと思うと、その基盤となるものは経済力だということか。そういう意味で、お金とは卑しいもの、という感覚で育ったわたしはずいぶんと間違った道を歩いてきたような気がしないでもない。

まだ暑いくらいの17時半に家を出て劇場へ。もう何度も書いているが、本来はこのオペラに出る筈ではなかったのが、同僚の急な怪我ということで駆り出されることになった。そんなわけで、初めの方は舞台稽古に出ていて知ってはいても、半ばからあとはまったく今日が初めて。音楽稽古はもうずいぶん前からウンザリするほどしているので音楽面での心配がないだけが頼り。どうなることかと思ったが、それほど難しい動きもなくて大過なく終わった。まあ、こういう事は他の劇場に客演した時と同じ状況だから、そう思ってやればそれほど大変なことではない。

今夜はラジオの実況放送が有ったため、2回の休憩が入って終演は22時半と遅くなった。ソリスト陣、合唱、オーケストラには Premiere 特有の大きな拍手があったけれど、演出、舞台美術、衣装のチームがカーテンコールに出てくると、盛大なブーが鳴り響いた。新演出初演の日の観客というのは普通の日の観客とちょっと質が違うのでその反応を素直に信じることは危険なのだけれど、わたしには今夜のブーは至極妥当だという気がする。

帰宅途中の地下鉄の中には今夜のプログラムを抱えた人が多くて、その人達の会話に耳を澄ませてみると、演出面に対する不満がだいぶ聞こえてきた。歌手陣をあまりにもヒョコヒョコと軽々しく動かしすぎる!と怒っている人も。 

Posted: 2004年05月31日 (月) at 00:12 




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