帰宅してから疲れと満腹とで横になったら少し眠ってしまった。ブリギッテもソファの上で眠ったらしい。夕方になって、劇場のホームページを見てみたら、危惧していたとおり、マントヴァ公爵を歌うはずだったテノールの
Ramon Vargas
が最終的にキャンセルして、Tito
Beltran
が歌うことになったらしい。今回の
Rigoletto
は波乱の幕開けとなりそう。
実は一昨日の日記には書かなかったけれど、Hauptprobe
の時,第一幕が始まって
Questa o quella
という小さ曲を歌った直後
Ramon Vargas
が激怒して楽屋へ引っ込んでしまうという出来事があった。これまで練習してきた動きと、回りが全く違う動きをして、神経が乱されて歌えないということである。彼にしてみればこれまで数週間の舞台稽古はなんだったのか、という怒りであったろう。これにはわたしも同感を覚えたし彼に同情した。仮面を付けることによる自己喪失(解放?)の結果だろうが、彼の廻りで大げさな猿の動作をして彼にちょっかいをかけている人達(それがソリストだったか合唱だったか、またはバレエの人達だったかは、仮面をかぶっている上に照明の暗さでわからなかった)にわたしも気がついていたので、彼の怒りは当然だと思った。演出面から来る精神的な混乱が彼のスタイリッシュな歌唱にも悪影響を与えていたのは数日前からわたしは気がついていた。初日を前にしてキャンセルする行為には賛否両論あるだろうが、わたしは彼のためには「よくやったと」喜んでいる。