演奏会 


曇り
今夜は恩師の卒寿(90歳)を祝う演奏会。昨夜はやはり眠れないのではと心配なので又、睡眠薬を服用して就寝。この睡眠薬、眠る前に飲んでしばらくマックで Internet に繋いでいたのだが、途中から猛烈に眠くなってきた。朝は6時過ぎに目が覚める。7時過ぎにホテルの朝食ルームに降りていって、和定食を食べる。ブリギッテはわたしの姉の家の朝食の方がはるかに美味しいと言う。(^_^) 

10時半に会場のエリコーナに歩いていくと東京からの伴奏者が車で到着していた。N夫妻の到着を待って早速練習に取りかかる。いちおう最初から通してみるが、まだまだ日本歌曲の方で息が合わない曲が数曲あって嫌〜な気分になる。一昨日、彼の自宅で伴奏合わせをしたときに「勉強しておきます」ということだったが、まだまだ。不安感がこみ上げてきた。

しかし、伴奏に気を取られて歌詞を忘れてしまうことのないようにと、昨夜ホテルの便せんに、プログラムの順番通りに大きめの文字で書き留めておいた日本歌曲の歌詞をピアノの上に置いておくと、本当に心の安心感が得られて、これは正解だった。(^_^) 多くのオペラ歌手が独唱会をするときにはよく見る光景なのだが、これまでわたしにとってはやはり抵抗があった。伴奏合わせが終わったあとはやはり咽の疲労が感じられたのでそれからホテルの自室に戻り一声も出さずにベッドに横になり声帯の疲労回復に努める。

14時頃にブリギッテが一人で出掛けて、いわき駅近くの店でお弁当などを買ってきてくれたのでそれを食べて少し遅い昼食とする。伴奏者が5時からまた少し合わせたいというのでそれを承諾したのだが結果的に、やるべきではなかったと反省している。

本番が始まり先ずマイクを使って「詩人の恋」の解説をしようとしたときに自分のかすれた声にわれながら愕然とする。「しまった!」と思ってももう遅い。歌い出してみるとやはり、声に延びがないのが分かる。最後まで持つかどうかが気に掛かりながら歌い始める。中盤からどうやら少し持ち直したようだが、フォルテを歌おうとすると声が割れそうになる。でも、なんとか「詩人の恋」は途中で止まりもせずに(^_^;) 最後まで歌い通すことが出来た。そのあと伴奏者のピアノソロがあって休憩。

休憩のあとは日本歌曲を10曲並べたのだが、やはり各曲に対する思い入れや、恩師との想い出があったのでマイクを使って解説をしていたりしたら思いの外に時間が掛かってしまった。とにかく今回の演奏会はかなりの不満を感じながら終わる。最後にアンコールで歌った「マイ・ウェイ」を、聴く人達が喜んでくれたのが救いにはなったけれど…。

終演後は近くの「中華料理店」での打ち上げ。そこで食べたり話したりしている間はしばらくの間忘れていられたが、ホテルに戻ってから演奏会の不満足な点を思い返して、なかなか眠りにつけない。今夜の自分の採点は70点の出来。8月に入ってからこの日に向けて一筋に集中してきた成果を100%発揮できなかったように思えるのは本当に残念。しかし、それだけ懸命にやっておいたから、この程度の傷で済んだのだと思い直すことにする。とにかく終わって一安心。きっと今日は睡眠薬無しでもよく眠れるだろう。 

Posted: 2005年09月09日 (金) at 14:42 




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