3回目の「タンホイザー」(最終回) 


晴れ / 外気温27度
7時起床。午後3時開演の「タンホイザー」までは何も無し。風邪の方は大分良くなってきた。今度の風邪は喉が痛くなったり咳が出たりという症状がなかったのが救いだった。ただ下痢の症状だけはまだ続いていて、憂鬱である。ここまで書いてきてふと、風邪だと自分では思っていたがもしかすると、そうではなかったのかもしれない。単なる疲労だったかもしれないのである。声に影響の無かった風邪というのは記憶にない。やはり、日本滞在中、少し動きまわりすぎたか。(^_^;) 

そういえば、6年ほど前に日本に来て急性肝炎を発病したときにも、最初は風邪だと思って風邪薬を飲んでは発汗していたのを思い出した。考えてみるとあの時の状況とよく似ている。こんなことに今まで気がつかなかったなんて、なんて馬鹿なんだろうと自分を叱る。これは断じて風邪ではない。疲労の蓄積がもたらしたものに違いない。自分の体力を過信しすぎていたようだ。
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今日も素晴らしい天気である。相変わらず6時前に眼が覚めてしまうのだが、今日はカーテンの隙間から差し込んでくる光に勢いがある。数枚写真を撮ってみた中の一枚であるが、数日前から水蒸気が薄れて視界がスッキリとしてきたような気がするのは、間もなく本格的な秋が来るということなのかもしれない。7時過ぎに朝食会場へ降りていく。例によって卵料理とソーセージが並んでいるが今日はそれらを見るのもイヤ!果物とジュース、バターを付けないパンにコーヒーという朝食をとったあと部屋に戻る。

じっと静養する以外何もすることがない。マックに向かっていても集中力がないためかすぐに疲れる。そんなわけでベッドに横になって、テレビを見ることにした。大リーグ:ヤンキース対レッドソックスの天王山である。ドイツはサッカー一色の国なので、久しぶりに見る野球を楽しんだ。松井選手が所属するヤンキースを応援していたが、残念ながら負けてしまった。レッドソックスの選手たちを見ていて、その自由奔放な服装、態度をとても面白く感じた。われわれの時代の日本チームだったらとても考えられないような自由さ(日本では、だらしないとも言う)で、こういう事が許されるというのはやはりアメリカの奥が深いところ。

わたしはメークの関係で14時45分に楽屋に入れば良いことになっていたので、早めにホテルを出て品川駅へ向かう。今のお腹の状態だとやはり「うどん」ぐらいしか食べるものがない。改札口を入った構内にある、何度か食べた「あずみ野」の他にもう一軒の駅蕎麦屋があるのを見つけた。そこを試してみようと入ってみる。ここは「立ち食い」も出来るが「座って食べる」事も出来る。味の方は悪くない。ここで「かけうどん」を食べただけで文化会館へと向かう。
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今日の公演には小泉首相が観に来られるようで、楽屋口の辺はいつもと少し様子が違う。小泉さんというのはオペラもけっこう好きな人だとか聞いていたが、今日は親善的な意味もあるのだろうか。今朝の食事の時、ドイツ人のオーケストラ奏者が「今の駐日ドイツ大使はオペラに関心のない男だけれど、小泉首相が来る今日はさすがに彼も出勤(!)しなくてはならないだろう、と皮肉っていた。(^_^;) 

公演終了後、約束していた旧友と会いお願いしておいた資料を受け取る。お腹の調子が悪いけれど、何も食べないというわけにもいかないので、上野駅構内に入ってみる。そこは、わたしの記憶に残っていた上野駅とはまったく変わってしまっていて、すっかりきれいになってしまい、飲食店が沢山出来ていて迷ってしまうほど。いや〜、驚いた。日本を離れる2日前まで知らなかったなんて、なんて間抜けなんだろうと自分を笑ってしまった。

お腹の悪いわたしに気を遣って「月のしずく」という、お豆腐を食べさせるお店に案内してくれた友と、ひとしきり歓談しながら食事を済ませる。数種類のお豆腐料理は、どれもおいしかったし、安心して食べることが出来たので大満足。(^_^) 22時頃に別れたあと、食事前に目に付いていた本屋で「ステレオサウンド」秋号を購入する。夜の10時過ぎにまだ営業している本屋というのも凄いものだ。

ホテルに戻り、温めのお風呂に入って疲れを取る。さあ、残る公演はあとひとつ。(^_^)
 

Posted: 2005年10月01日 (土) at 16:11 




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