聖夜 (Heiligeabend) 


曇り / 外気温2度
8時半起床。今日は24日、聖夜 (Heiligeabend) である。食料品を売る大抵の店は今日の午後まで営業している。買い忘れた物を買う人とか、昨日まで仕事で忙しくて買い物に行けなかったような人のためにはクリスマス休暇前に買い物をする最後のチャンスとなる。今年はブリギッテも昨日までビッシリと仕事だったので、買い残したものもあったようで、わたしが目を覚ましたときには隣のベッドはもぬけの殻だった。 

わたしも昨日は "Xerxes" で帰宅が遅く、そのあと夜食を食べて寝たのでグッスリと寝入ってしまった。毎年不安になるのは、ブリギッテがクリスマスから年末年始に掛けて身体を壊さないかということ。昨年もそうだったが、24日の昼食に彼女のお父さんのために特別なソーセージ料理(彼が生まれ育ったところのソーセージ)をして招く。このための準備、買い物に午前中は走り回るわけだが、午後3時頃に昼食が終わり、後片づけをしたあと、今度はすぐに各部屋の掃除をかなり丁寧に行う。そのあとはクリスマスツリーの飾り付け、そして息を継ぐ暇もなく夕食の準備である。今夜も夕食を食べ終わったのが23時半を過ぎていて、彼女は背中の痛みをこらえていた。彼女のお母さんはまだまだゆっくりとしていたそうな様子だったが、ブリギッテはもうコックリ、コックリしている。お父さんが見かねて「おい、われわれの娘はずいぶん疲れているようだから、失礼しようじゃないか」と誘ってお開きとなった。

わたしも、わたしに出来ることは手伝ったつもりだ。朝、彼女が買い物から帰ってくるまでに、昨夜の汚れ物を片づけ、いつでも食べられるように朝食の用意を調える。そのあと、地下の物置からクリスマスツリーの飾り付けを取りだしてくる。ツリーは午前中に立てておいた方が各枝が自然に元に戻って美しくなるので、ユリアとカローラの助けを借りて居間に備え付ける。わが家の風習でツリーの飾り付けは24日の午後ということになっている。

お昼近くにブリギッテが大きな袋を3個ほど持って帰宅。玄関の戸口で受け取ったらそれが皆、かなり重い!今日はどこも混み合っているので駐車難ということもあり、路面電車で行ったらしい。ご苦労さんでした。それから簡単な朝食。午後2時からソーセージを食べることになっているので、ホンの軽い食事だった。ブリギッテはそれから大急ぎで居間とダイニングキッチンの床掃除を始める。

それが終わってからソーセージの料理に掛かる。このソーセージは現在はポーランド領になっている 東シュレージエン地方特有の白いソーセージで長さが20cmくらいある大きなもの。これをちょっと甘いソースで煮込んで食べるのだが、フニャフニャとして歯ごたえがないのでわたしの好みではない。娘たちも余り好きではないと見える。(-_-;) つけ合わせはザウワークラウトと塩茹でのジャガイモ。飲み物はビールが合う。やはり、小さい頃に食べていたものには独特の思い入れがあるのか、今年84歳の義父は大いなる食欲で3本平らげていた。わたしは頑張ったが2本がやっと。この食欲が彼の長生きの秘訣かな、とも思ったりする。(^_^)

この昼食が済んでから、わたしは瞼が重くなってきて1時間ほど昼寝をする。その間に両親たちも自分たちの住まい(1000mほどしか離れていない)へいったん引き取った。わたしが昼寝から起きてくると、ブリギッテと娘たちがクリスマスツリーの飾り付けをしているので、それを手伝う。ツリーに下げるガラス玉の色が銀と赤と2種類合ってその年によってどちらかを選んでいる。彼女の留守だった午前中にわたしの選択でいちおう銀の玉を物置から出して準備していたのだが、ブリギッテの「今年は赤!」のご宣託で総入れ替えとなる。午前中にカローラと「パパが銀を選んだら、多分ママは赤と言うと思うよ」と話していたので、2人で顔を見合わせてニンマリ。

そうするうちにも時間はどんどん過ぎていく。ブリギッテは夕食の魚料理に取りかかっていててんてこ舞い。この魚がもの凄く大きくてオーブンにも身を曲げないと入らない。まずは鱗を剥がすことから始まるのだが、この鱗が大きくて固いから台所中に飛び散って大変だった。その間わたしは各自が受け取るプレゼントをツリーの下に並べる。親戚や友人たちからのプレゼントはいったんブリギッテの元に集められ、それを各自の場所に置いておくことになっている。やっと準備が整ったのが8時頃。本来は午後7時を予定していたのだが、とても間に合わないので両親には1時間遅れてきて貰うことにした。

夕食はイタリア風の前菜から始まって魚料理にかかる。
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ところがこの魚が大きかったせいか身の厚いところはまだ火が通っていなかった。改めてオーブンに入れてやり直し。わたしの胃の方はまだ昼食の名残が感じられるから、ここで休憩が入ってしまってそのあとは余り食欲が湧かなかった。ようやく主菜の魚料理を平らげたあと、デザートとチーズはプレゼント開封のあとにしようということにして全員ツリーの下に移動する。
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わたしがツリーのロウソクを灯し、電球の明かりを落としてから、恒例の鈴をリンリン〜と鳴らす。それから小一時間は賑やかなプレゼントの開陳になった。娘たちはそれぞれに希望していたものをもらえて満足そう。われわれ両親にとっては彼女たちの喜ぶ顔が一番のプレゼントである。(^_^)

一段落付いたところで、また食卓に戻り、数種類のチーズとパンで胃袋を納める。
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そのあとにカローラの作った小さなシュークリームを食べた。その時の話題が「甘いデザートが先か、チーズが先か」というものだった。「チーズは最後に胃袋の口を締めてくれる」という言い回しがあるので一番最後にチーズか、と思っていたのだが、最近、何度かこの逆の場合に遭遇したのだ。結論は出ずじまいのまま、食卓に座ったままのブリギッテが居眠りを始めたので義父の一言でお開きということになった。

いったん立ち上がって玄関に行きかけた両親だが、義母が「そう言えばウォッシュレットをまだ見ていなかったわ」というのでその見学にまた15分くらい掛かってしまう。彼女の場合、楽しい雰囲気から抜け出していくのはかなりの努力を必要とするようだ。(^_^;) ブリギッテはそのあと速攻でベッドに入ってしまったので、わたしはそのあと娘たちと台所のあと片付けをし、食器洗浄機に入れられるものを詰め込んでスイッチを入れたあとで歯を磨いて就寝。午前1時を少し過ぎていた。

今年も大イベントの聖夜をなんとかこなすことが出来てホッとしたというのが正直な感想。しかしクリスマスはまだまだ続く。今夜(25日)もそして明日(26日)の夕食も両親を招いていて、ブリギッテはそれぞれ「鴨料理」「ラム料理」を準備しているらしい(フゥ〜)。わたしは今夜は「魔笛」の公演に出なくてはならないので残念ながら今夜は失礼することになる。(^_^;) クリスマスだから仕方がないのよ、とブリギッテは言い訳しているけれど、ちょっと頑張りすぎではないのかなぁ、と面倒くさがり屋のわたしは思う。

このエントリは、次の日の25日に書いてアップしている。昨日はさすがに落ち着いてマックに向かっている時間がなかった。(^_^;) 

Posted: 2005年12月24日 (土) at 09:17 




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