葬式に参列(休暇4日目) 


快晴 / 外気温24度
7時25分起床。気温もグッと上がって素晴らしい天気。どうやらこの週末もこのまま好天が続くらしい。今日は10時半からわが家の上の階に住んでいるご主人のお父さんの埋葬に列席するためにいつも通りに起きた。 

朝の新聞を開くと真っ先に死亡広告欄を読むブリギッテが2日ほど前にそれを見つけた。いつも不思議に思うんだけれど、新聞を開いてまずどのページを読むかというアンケートをとると「死亡広告欄」という人が多いそうである。シャーロック・ホームズもそうだけど、これがヨーロッパのひとつの気風なのだろうか。

それはともかく、亡くなったお父さんは息子夫婦が引っ越してきたときに何度かお会いしていてとても気さくな人柄のよい人だったという記憶がある。ブリギッテは仕事があるから参列できないけれど、あなた出来たら参列したら、と彼女に言われてその気になった。ちょうど今は休暇中で時間だけはたっぷりとある。(^_^) 墓地は Westfriedhof といってOlympiazentrum の近くで、この墓地にはブリギッテのお祖父さんのお墓もあるから、そこも墓参りしてこようと思った。

式が始まるまでに45分くらいあったのでその前にブリギッテのお祖父さんのお墓を訪ねる。久し振りだったので場所がうろ覚えだったけれどすぐに見つけることが出来た。墓はまだ冬の名残をとどめていて寒々しい雰囲気。周りのお墓にはいかにも春らしいお花が添えてあるところもあったので余計にそのように感じたのかもしれない。それが済んでから式場へと向かう。

式はまず広大な墓地の入り口近くにある丸屋根の広間で始まる。参列者が集まった中をユニフォームを着た4人の係員とキリスト教の司祭に付き添われて車に乗せられた棺桶が入ってくる。そこで司祭による簡単な祈りと儀式が行われて、そのあと全員が棺桶を守る形で埋葬される墓地まで歩いていく。祈りの時にはスメタナの「わが祖国」が流れていたので彼の家族はチェコ人の家系なのだということに気がついた。

墓地までの距離はけっこうあったけれど、今日は素晴らしい天気だったのでまったく苦にならなかった。これが冬の寒い日だったりするとお年寄りの参列者たちにはかなり辛いことになる。墓地に到着してそこでまた司祭のお話があり、そのあと参列者1人1人が箒状の杖で水を振りかけ、用意されたスコップで棺桶の上に少しだけ土を振りまき参列の儀式は終わることになる。そのあと親類縁者の方たちはレストランで会食をするのが普通。日本の精進落としのようなものかな。

上の階に住む夫婦はわたしが参列したことに驚いていたようだったが、反面とても喜んでくれた。わたしもそのあとの食事に誘われたけれど、ブリギッテに「きっと誘われるけれど、固くお断りして帰ってきなさい」と言われていたのでそのとおりにする。(このへんのわたしはまるで落語の与太郎である)(^_^;)
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墓地から引き返してくる途中の春の景色とこぶしの花が美しかったので数枚写真を撮ってきた。白いこぶしの花は故郷を思い出させる。わたしの故郷に住む恩師の家の庭には毎年春になると白いこぶしの花が咲いていて、その下で写真を撮ったり写生をしたりして楽しんだものだった。

墓地を出ると少しお腹が空いていることに気がつく。時計を見るとちょうど12時である。そこから地下鉄に乗って二駅目が終点の Olympia-Einkaufszentrum(オリンピア・ショッピングセンター) なので、そこまで行ってみることにした。 München に住んで25年にもなるがまだ、ここに足を運んだことはなかったのである。

地下鉄を降りて地上に出るとそこはごくありきたりの買い物センターの様相で、わざわざ来てしまったことを後悔する。しかしお腹が空いてくるので近くにあった McDonald に入り BigMac Sparmenu (BigMac +フライドポテト+飲み物=4.50€) というのを食べた。こんな状況の時、日本だったら絶対「駅の立ち食いそば」だがなぁ、いや、お葬式のあとは蕎麦屋に入って板わさで日本酒をいっぱいやったあとでざる蕎麦かな、と思いながらハンバーグに齧り付く。しかし今日の McDonald はとてもおいしいと思った。

わが家に戻ると太陽の光をいっぱいに浴びたテラスではカローラが座って SUDOKU の問題を解いている。わたしもすぐに着替えてその横で日光浴。しばらくすると目が痒くなってくる。この天候だから今日は花粉もずいぶん飛んでいることだろう。目薬を注しながら賢明に太陽の光をむさぼる。

夕方6時過ぎにブリギッテが帰宅。今日は少し忙しかったとか。簡単な夕食をとったあと彼女は家の中の掃除を始めたのでわたしはアイロン掛けに取り掛かる。かなり溜まっていたのだが、今日のように良い天気の時に家の中でアイロン掛けをするのは勿体ないので、今夜することに予定していた。明日はまた素晴らしい天気になりそうなので、今夜のうちに片づけておきたい。 

Posted: 2006年04月21日 (金) at 22:13 




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