今日は仕事始めでした。 


今日はわたしの仕事始め。普段と同じことをしているのだけれど、心のどこかに「さあ、今年一年も元気で頑張ろう!」みたいな区切りの線を引いているのを感じる。 

曇り
わたしにとっては、今日が今年の仕事始めだった。

10時半からのロベルト・デヴェロー(Roberto Devereux) の舞台稽古。このオペラの作曲者はドニゼッティ。彼のオペラは「愛の妙薬」「ドン・パスクワーレ」「ルチア」などよく知られたオペラがあるのだけれど、このオペラはあまり知られていない。世界でも上演されることが本当に少ない。あらすじは、簡単に言ってしまえば、イギリスの女王エリザベス一世を巡る愛と嫉妬の物語。序曲ではイギリス国家のメロディーが部分的に使われていたりする。われわれ合唱は、彼女の宮廷に詰める廷臣、というわけ。

今日も長女のアンナが客席に座って、われわれの仕事ぶりを観察していた。大学での勉強中に、いつかは実習をしなくてはならないので、演出助手の仕事がどんなものなのかを、実際に見るのは彼女にとっても有益だろう。

練習の方は、タイトル役を歌うテノールが風邪を引いてしまっているとかで不参加。エリザベス女王を歌うエディタ・グルベローバもよんどころない事情があって不参加。従って、主役二人がいない、ちょっと緊張感の乏しい舞台稽古となった。こういう時は時間の過ぎるのがなんとも遅く感じてしまう。終了後、友達と会うというアンナと別れて2時過ぎに帰宅。

帰ってみると、家ではカローラが一人、居間で遊んでいる。次女のユリアは友達と物理の勉強をする約束があって出かけたとか。ブリギッテは半日の仕事のあと劇場横のレジデンツ(Residenz)---バイエルン王宮跡---で行われている展覧会を見に行ったらしい。カローラは一人でつまらないだろうに、と思っていたら、なんのことはない、電話が掛かってきて、友達とソリ滑りを約束して、いそいそと出かけていった。

夕方4時頃にブリギッテが帰宅。展覧会の方は、まあまあ面白かったそうな。それから簡単な夕食を一緒に食べて、6時にまた出かけていった。今夜は Nationaltheater のオペラ「こうもり」へ。これはブリギッテから Patenkind (パーテンキント/代子)である、カミッラ(Camilla) へのプレゼントで、彼女と一緒に観るとか。

ここで出てきた Pate というのは、独和辞典で引いてみると「代父、代母」とか訳してあります。英語で言うゴッドファーザー( Godfather ) かな。子供がキリスト教の洗礼を受ける時に、頼まれて、なるわけなんですが、その子の両親にもしものことがあった時には、責任を持ってその子の将来を見るというのが役目のようです。普通は、赤ちゃんの時に洗礼しますから、その子の両親が選んで頼むわけですが、カミッラの場合には、彼女が大きくなってから洗礼を受けたので、彼女自身の希望でブリギッテが頼まれました。ユリアとカミッラは幼い時の遊び友達。ブリギッテはそれがとても嬉しかったらしいです。ブリギッテは今、3人の子の Pate になっています。

医学の発達していなかった昔は、人が早死にしたり、よく戦争があったりしたので、両親のいない子供も多くて、重要なことだったのでしょうが、現在は形骸化しているかもしれません。何も異常がない時の両者間の義務というのは、お互いの誕生日とクリスマスに、プレゼントを贈ることぐらいでしょうか。子供達がまだ幼い頃には、何でもいいから自分の手で作ったもの--絵とか工作したもの--を贈ってきます。Pate の方は、その子の喜ぶものを我が子へのプレゼントと同じように考えて贈るようです。で、今回は、オペラの切符と言うことになりました。 

Posted: 2004年01月03日 (土) at 15:59 




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