ヨーロッパ旅行の際のチップ 


これから季候が良くなってくると、日本からヨーロッパへの観光旅行者も増えてくるだろう。ヨーロッパに着いてまず、最初に困惑するのは「チップ」という習慣だと思う。これについてわたしの思ったことを書く。 

日本はレストランなどに入った場合に「チップ」をあげなくとも良いというありがたい習慣になっている。これはチップの多少よりも、その行為自体の煩雑さから逃れられるという点でまことにありがたいことだと思う。しかしヨーロッパはレストランに入った場合、お会計はそのテーブルを受け持った使用人に直接払うので、彼なり彼女なりに、なにがしかのチップを与えるのが普通である。ヨーロッパについて数時間後にはお腹が空いて何かしら食べたり飲んだりしなくてはならず、レストランなどに入ることになると思うのだが、その時に戸惑うのがこの問題ではないだろうか。

「チップ」というのは相手のサービスに対するこちらの感謝の気持の表現だから、その額に決まりがあるというわけではない。しかし、おおよその線というものはある。もちろんサービスが悪かったり、非常識だったりした場合は最悪の場合「チップ」をあげないということもあり得る。わたしも過去に3度ほどそういう経験がある。でその金額だが、よほどの高級レストランならば今でもチップは10%払うこともあるだろうが、普通の街のレストランの場合には現在では10%のチップというのは多すぎる。5〜7%あたりが標準だろう。

ドイツマルクからユーロに切り替わった時に人々が一番戸惑ったのが、この「チップ」だった。ドイツマルクの時には、例えば食事代が 12.4マルク だったら 13マルク払うのが普通だった。0.6マルクがチップ(値段に対して約6.5%)ということである。

それがユーロに切り替わったばかりの頃は、例えば 5.1 ユーロのものを食べたときにそれまでの習慣で 6 ユーロ払ってしまっていた。人々もこれではチップが多いような気がするということに、わりと早く気がついたのだが、5.1ユーロのものを食べて5.5ユーロ払うという行為が、なかなか難しかった。ケチっているようで恥ずかしいのである。(^_^;) 

切り替わったときには 1ユーロ = 2マルク ということだったから、これでは一挙にチップが約17%にもなってしまうことになる。それで、だんだんレストランで食べる人が少なくなるという現象が起きてしまった。これはレストランにとってもちょっとした打撃だったろうと思う。しかし、最近はそれも落ち着いてきて、普通のドイツ人達があげるチップも5〜7%という感じになってきた。その代わり、食事自体の値段がずいぶん上がっているように思う。

先日、友人達とワインを飲みにワインケラー(Weinkeller) に入ったのだが、わたしの飲んだフランケン・ワインは3.8ユーロだった。約5%のチップをあげたいのだったら、キリの良いところで4.0ユーロ払えばいいだろう。そのウエイターなりウエイトレスなりがとても親切で感じが良かったとしても4.2ユーロ(約10%)だろうが、せっかくの旅行に来ているのだからあまりケチケチしないでおこうと思ったとしても(^_^;)、4.5(約18%)ユーロというのが上限だとわたしは思う。

で、こんな偉そうなことを書いているわたしが、先夜いくら払ったかというと・・・4.5ユーロでした。仲間の手前、やはり4.2とか4.3ユーロとは詰まらぬ見栄ですが、言いにくかったのですよ。(-_-;)
しかしこのエントリーを読んだ人は、ヨーロッパに旅行に来たときには勇気を持って、妥当なチップをあげましょう!! 

Posted: 2004年03月22日 (月) at 15:23 




1年前の今日は? 2年前の今日は?