ついにその日が来たと言うほど大げさなものではないのだが、やはり感慨深いものがある。ことは今日の午後、路面電車内での出来事。
午後2時過ぎの路面電車で市内に向かったのだが、この時間帯にしてはかなり座席が埋まっていた。わたしは空いていた座席に座り、持っていった推理小説の文庫本を開いて読み耽っていたのだが、途中の駅でふと目を上げると白髪の、年の頃は60歳半ばと思われる夫人が乗り込んできた。
わたしはすかさず立ち上がってその老婦人に席を譲ろうとしたのだが、同時に斜め向かいに座っていた40歳見当の女性が立ち上がって彼女も席を譲ろうとした。老婦人は彼女に近かったその席に腰を下ろしたので、わたしは40歳見当の女性に、それまでわたしが座っていた席を勧めたのである。しかし彼女はそれを受け入れてくれず、2度ほど「どうぞ、お座り下さい」「いえ、あなたがどうぞ」という押し問答があった末に次の言葉が彼女の口から漏れたのだった。「わたしはまだ若いんですから、あなたがどうぞお座り下さい」。 えっ、わたしは女性に席を譲られても不思議ではないほどに年老いて見えるのか、と気づいて愕然としてしまった。そんな日が来るのはまだまだずっと先だと思っていたので、これは少なからずショックだった。こういう体験が重なっていって、それを自然に受け入れる事が出来るときが本当に年老いたときなのだろうが…、でも、まだまだそんなのは「ヤダ!」(^_^;) そういえば、「櫻花散りかひくもれ老いらくの来むといふなる道まがふがに」(西行)というのがあるなぁ。ウ〜ン、その気持、わかる! Posted: 2005年07月22日 (金) at 17:06
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