ある風刺画ー"Der Einbürgerungtest" 


現在ドイツの各州では「ドイツ国民になるためのテスト」(Der Einbürgerungtest)が大きなニュースになっている。これはどういうことかというと「外国人の両親を持つ子供たちがドイツ国民になるためのテスト」ということになるだろうか。 

外国人問題というのはいつの時代でもどこの国でも大なり小なり問題となっている。ドイツは比較的外国人を受け入れてきている国の一つだが最近になって外国人の両親を持つ子供たちのドイツ語、並びにドイツ社会に対する知識が著しく貧しいものになってきているということが騒がれている。この場合の外国人というのはどうやらトルコ人を両親に持つ子供たちのことを暗黙にさしているようだ。

これらの子供たちは家に帰ればもちろん両親の国の言葉しか話さないのだろうし、何よりも数が多いから仲間内ではドイツ語を話さなくとも生活していける環境にあるといえる。しかしこの子供たちが学校へ行く年齢になると問題が出てくる。学校で行われる授業はもちろんドイツ語だから、これについていけない子供たちがたくさん出てくるということになる。当然日々の授業にも差し支えが出てくるというわけ。

これでは、近い将来にドイツ独自の文化が消滅しかねないという危惧を持った人達が出てきた。そこで業を煮やした各州ではドイツ語がどれだけ出来るか、そしてドイツ社会に関してどれだけの関心を持ってそれを識っているかをテストしようではないかという動きが出てきた。先ず、ヘッセン州の議会が先月末に「ドイツ国民になるためのテスト」なるものを発表し、そのあとにバーデン=ヴュルテンブルク州、バイエルン州などが続こうとしている。このテストの各問いの中には難しいものもあって「こんなの普通のドイツ人でも識らないよ〜」というものがけっこうあるらしい。わたしの巡回している ベルリン中央駅さんのこのエントリ にもそれに関することがアップされている。

で、ここに載せた風刺画はその "Der Einbürgerungtest" という問題と、現在続いているVer.di(Vereinte Dienstleistungsgewerkschaft) という労働組合によるストライキを引っかけたものである。
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試験官の問いは「ドイツで人気のあるオペラの題名とその作曲家をひとつあげてください」
受験者の答えは「"ヴェルデイ"作曲の"ストライキ"です」
というもの。
これはちょっと笑える。

München のNationaltheaterでも Ver.di 主導によるストライキが行われていて今週末の "Parsifal"、 それと火曜日に予定されている "Tosca" はその影響を受けて舞台を組めないため、コンサート形式になる。 

Posted: 2006年04月07日 (金) at 13:59 




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