わたしも思い出しました。 


OKAMURA さんのエントリー を読んでいて、わたしも似たようなことを思い出しました。 

あれは長女のアンナが幼稚園の頃。ミュンヘンはよく雪が降りますので、子供達はソリ遊びが大好きです。しかし、アンナは静かな女の子だったので、親が言い出さなければ、ジッと家で遊んでいるのが好きな子供でした。しかし、ブリギッテはちょっと違って、一日に一度は外へ出て新鮮な空気を吸わなくてはいけない、という主義です。ある冬の日の午後「アンナをつれて、ソリ滑りに行ってらっしゃい」と半ば強制された形で近くの丘に出かけました。

そこはかなり急な傾斜で、そこからソリを滑らせると結構スピードも出るので、まだ小さかったアンナには一人では無理。彼女を前に座らせ、わたしがその後ろに座って二人で滑っていたのですが、だんだんエスカレートして(わたしがですが・・・)より急な勾配の方へ移動しました。そしてそこで滑ったら、ソリの勢いが思った以上。自分の足で掛けるブレーキがなかなか効きません。あっという間に、立木にぶつかってしまいました。

幸いにも、その前に少し舵を切れたので正面衝突は免れましたが、アンナの顔は擦り傷だらけ。そのうちにその擦り傷から血が出てきて、ちょっと見た目には惨憺たる有様。ショックと痛みで大声で泣くアンナに、わたしは一生懸命「ソリ滑りには、こういう事は付きものなんだから大丈夫、大丈夫」と元気づけていましたが、心の中は「しまったーっ、アンナ、済まない!」という思いで一杯。もう、ソリ滑りを続ける気力もなくなって家路につきました。

家に帰って呼び鈴を鳴らすとブリギッテが玄関の戸を開けてくれました。彼女はアンナの血だらけの顔面をひと目見てギョッとしたらしく一瞬言葉が出ませんでしたが、すかさず、アンナが「お母さん、これはね、ソリ滑りには付きものなんだって」とかわいらしい声で言いました。そのあとでわたしがブリギッテから叱られたのは言うまでもありません。あのときの傷が残らなくて良かった、と今でも思います。 

Posted: 2004年02月26日 (木) at 21:21 




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