61年目の謀殺 / 日下圭介著(徳間文庫)1929年11月29日に箱根の富士屋ホテルで謎の自殺を遂げた「佐分利貞夫公使」を題材に扱った推理小説。正直に言って、わたしはこの人物を知らなかったし、この事件についてもはじめて知った。最初は架空の物語かと思って読み進めていたがどうも昭和初期の政治家などが実名で出てくるので、読むのを一時中断し、佐分利貞夫、で検索してみたら、実在に人物であることがわかった次第。(^_^;) それから後は普通の推理小説を読むのとはちょっとい違った読み方になった。推理小説としてみた場合には人物の動かし方とか動機付けにちょっと強引なところがあり、登場人物の見通しの悪さも感じた。替え玉を用意しておいて、佐分利公使がその事件以降、高根沢嘉平という人物になりすましていた、というのも途中から気がついてしまって、謎解きの面白さはちょっと味わえなかった。でも、知らなかった昭和初期の歴史にちょっと興味が湧いた、という点で良しとする。(2004年9月19日読了) Posted: 2004年09月21日 (火) at 16:22
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