即身仏(ミイラ)の殺人 / 高橋克彦 著(文春文庫) 


image
この本を手にするすぐ前には同じ作家の「炎立つ」を読んでいる。「炎立つ」が久しぶりに重量感のある読み応えだったのでこの作家の他の著書も読んでみたいな、と思っていたら、ハイジさんから戴いた数冊の文庫本の中にこの作家の名前を見つけて、早速読み始めた。 

しかし、これはまた「炎立つ」の時代物とはガラリと変わった現代物の推理小説だった。だから、あらすじなどをここに書くわけにはいかない。(^_^;) ここでは、推理作家の長山作治、編集者の亜里沙、そして塔間双太郎という魅力的な三人組が事件を推理・解決していく。彼たちのちょっとベランメエな会話体による話の進行が時に小気味よく感じた。

どうも話の流れを読んでいると、この本の前にも後醍醐天皇にまつわる事件をこのメンバーが解決しているらしいことがわかる。巻末の解説を読むとこの「即身仏(ミイラ)の殺人 」は「パンドラ・ケース」(1988)「南朝迷路」(1989)に続いて 1990 年に書かれたもので、同じ登場人物が事件を解決するシリーズらしい。できれば順を追って読んでみたかったが、そうもいかない外国暮らしだから、贅沢は言えない。読めただけでも幸せである。(^_^)(2005年4月23日読了) 

Posted: 2005年05月07日 (土) at 17:00 




1年前の今日は? 2年前の今日は?