「透光の樹」/ 髙樹のぶ子著 (文藝春秋) 



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この著者はわたしの好きな作家の一人。数年前に男女の性愛について読んでいる時に、これまで読んできたのは男の作家によって書かれたものがほとんどだったから、もしかすると男の独りよがりではないか、との疑いを持った。女性作家の手になる性愛の物語を読んでみたいと思い、数年前姉にそのことを書いたら、「時雨の記」(中里恒子著)「氷炎」(髙樹のぶ子著)を送ってくれた。どちらもわたしの心に触れるものがあって納得のいくものだった。今回の「透光の樹」は常に死を数歩前に感じさせる、透き通るような、凛とした刃物の冴え冴えとした感じに満ちた男女の性愛を描いたもの。不思議に読後感が清冽。(2004年8月10日読了)
 

 

Posted: 2004年08月11日 (水) at 12:53 




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