ライ麦畑でつかまえて / J.D.サリンジャー著・野崎 孝=訳(白水社) 



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数ページ読み進んだところで、この文体と似たような感覚を体験をしたことがあるな、と思いついた。なんだっただろうと考えたら、口に中に入れると舌の上でプチプチと撥ねるような、袋に入った粉が駄菓子屋さんで売っていましたよね。あの感じだ!と思い当たりました。(^_^) 妙なものです。この歳になってこの本を読むというのもひとつの出会いだと思うけれど、16歳〜20歳の頃に読んだとしたらどんな読後感を持っただろうと興味深いです。今回読んでみて、不安定な思春期の揺れ動く心が素直に受け入れられて、ホールデンが愛しく感じました。「そう、本当は君が思うとおりなんだよ」と頷ける部分がけっこう多かったです。それにしても、こういう文体の翻訳というのはなんと言ったらいいんでしょう。もう翻訳というよりは翻訳者自身の文学になってしまっているような気もします。(2004年6月27日読了)
 

  

Posted: 2004年06月27日 (日) at 20:23 




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