金閣寺の惨劇 / 吉村達也著(徳間文庫) 


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この著者とは初めての出会いである。先の「巨いなる企て」を読了するまでかなり長い時間が掛かったのとは対照的に、ほとんど半日で読んでしまった。しかし、息もつかせぬほどの面白さがあったからというわけではなかった。(^_^;) 

そもそも、最初のページからこの「金閣寺の惨劇」は「銀閣寺の惨劇」と対になっていて、”一冊だけでなく、二冊目の最後まで読み終わったときに、片が付いたはずの両作品の事件に、もういちど、とんでもない大逆転が生じてしまうのです。” という著者自らの但し書きが載っている。なんだかその裏に商魂がちらついていて「なんだかな〜」と思ってしまった。本来なら毅然として、ここで読むのを止められればいいのだが、活字に出会える機会の少ない現在のわたしの環境ではそんな贅沢も言っていられない。(^_^;)

内容自体は会話部分が多いせいか、まるで飛ぶように読み進めてしまって、あっと言う間に読了。しかし、あとにはなんにも残らない。トリックそのものもありふれているし、アリバイ崩しにも新鮮味がない。と勝手なことを書いているが、一冊を読んだだけでとやかく言うのは無礼なので、この著者に対するわたしの見解はもう少しお預けにしたい。(2005年7月12日読了) 

Posted: 2005年07月13日 (水) at 23:37 




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