銀閣寺の惨殺 / 吉村達也著(徳間文庫) 


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先週7月13日に「金閣寺の惨劇」を読んだ感想をアップしたのだが、7月19日にそれを返しに日本食料品店の SUZUKI に伺ったら本棚に「銀閣寺の惨劇」を見つけた。すかさず借りてきて読んだのはいうまでもない。(^_^)

 

今回は「金閣寺の惨劇」に較べるととても面白かった。密室殺人のトリックもひと捻りしてあって楽しめたし、何よりも「日本人論」が面白かった。外国に長年住んで、外から日本及び日本人を客観的に見つめることの出来る環境にある身としては、頷ける点も多々あったりして推理小説というよりは「比較文化人類学」を読むのと似たような感じもあった。

推理小説の感想だから、ここで余り詳細に説明することはルールに反することだけれど、英語の「否定疑問文」を使ったトリックというのが最近になく新鮮だった。これは特筆に値する。

ただ、著者が「自作解説」で次のように書いてある部分がわたしには理解出来なかった。老いたか? (-_-;)
1.
既に解決済みと思われた片方の作品の真犯人が、土壇場ですり替わってしまいます。(なぜそうなるのかは、よーくチェックしてください)
2.
「金閣寺の惨劇」と「銀閣寺の惨劇」のそれぞれで描かれた殺意の構造のほかに、もうひとつ、背筋が寒くなるような怨念の人間模様が、いきなり浮かび上がってきます。

(2005年7月20日読了) 

Posted: 2005年07月22日 (金) at 01:14 




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