月のしずく / 浅田次郎著(文春文庫)直前に読んだ同じ著者の短編が気に入ったので、その隣にあったこの本(もちろんハイジ文庫)をとりだして読み出した。期待に裏切られることなく読み終えることが出来た。これも短編集(7編)だけれど、読んだあとで、この作家の本をもっと読みたくなってしまった。幸い間もなく日本へ帰るので、こりゃあ、必ず本屋巡りをしなくてはならない。 記録としてその短編の名前を書いておきます。1.月のしずく 2.聖夜の肖像 3.銀色の雨 4.瑠璃想(リウ リイ シアン)5.花や今宵 6.ふくちゃんのジャック・ナイフ 7.ピエタ
今回の短編集が前のそれと大いに違ったのは、大いに泣けたこと。おもにベッドに入ってから寝付く前に数編ずつ読んでいたのですが、泣けて泣けて仕方がなかった。声を出して泣くような悲しみではなくて、じわじわ〜っと涙が湧いてきてスッと目尻から落ちていく静かな悲しみでした。泣いたあと、安らかな思いで眠りにつくことが出来る柔らかな悲しみ、とも言えます。悲しみにもいろいろあるものですが、安らかな悲しみというもあるんですね。 今回もこの本の中で一番好きなものを上げると「月のしずく」かな。ものすごく現実離れしたお話なんだけれど、こんな事があってもいいなぁと、幸せな気分になれた。 最後の解説に三浦哲郎氏が書いているが、浅田次郎氏の代表作は「鉄道員」(ぽっぽや)という本らしい。日本に着いたらすぐに買おう。(2005年8月25日読了) Posted: 2005年08月25日 (木) at 09:40
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