イスタンブールの闇 / 髙樹のぶ子著(中公文庫)物語の主舞台はイスタンブールなのだが、日本の津和野との比較で進行していく。カバー裏の著者紹介を呼んでみると、作者は山口県の生まれの方だから津和野には親近感があってよくご存じなのかもしれない。ちなみに、1946年生まれということでもしかするとわたしと同学年かもしれない。ちょっとした親近感を持った。
ありきたりな表現だけれど、イズニク・タイルと津和野の陶器とを縦糸に、男女の性愛を横糸に絡めながら物語は進行していく。わたしはまだイスタンブールにも日本の津和野にも行ったことがないので想像するしかないのだが、この本を読むと津和野には一度行ってみたいなぁと思う。季節はいつが良いんだろう。 さて、この作者の売りであるらしい「大人の愛と官能を描いて定評がある」という点だが、今回は人物の設定があまりにも小説に過ぎてわたしの心には響いてこなかった。「氷炎」を読んだときには、彼女の描いた性描写にあれほどしみじみとしたものを感じたのにどうしてなんだろう。わたしの情感が乾いてしまったということではないと思いたい。こうしてみると本との出会いも「一期一会」だ。その時の読む人の体調、精神のあり方で同じ文章でもそこから受ける感慨は随分違ったものになってしまう。だからこそ本は面白いと思う。(2005年11月27日読了) Posted: 2005年11月28日 (月) at 23:36
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