深川恋物語 / 宇江佐真理著(集英社文庫) 


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これも読んだのはもう一月以上も前の去年の暮れのことだった。前の「傷」を読んだあと手元の「ハイジ文庫」を探したら女性名作家のこの本が眼について読み出した。「女性作家・江戸物連読」というわけである。

 

毎回同じようなことを書くが、この女流作家もわたしは知らなかった。作品が文庫本にまでなっているのだから当然のことなのだろうが、この人もいろいろな賞を受賞している。この本は「第21回吉川英治文学新人賞受賞作」ということである。捕物帖ではない。

6本の短編から成る本であるが、そのすべてにこの作者のいかにもきめ細かな感性が感じられた。女性と握手したときに時々感じる柔らかでしっとりした感覚(汗をかいた手とは違う)とでも言おうか。短編の殆どがホッと安堵の息をつかせるような終わり方であるのもわたしには好ましかった。(2005年12月末日読了) 

Posted: 2006年01月31日 (火) at 16:50 




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