泥棒たちの昼休み / 結城昌治著(講談社文庫) 


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名前は知っていたがこの作家の小説を読むのははじめて。ちっとも面白くなかった。 

この作家、どういう人なんだろうと思って経歴を読んでみると、わたしよりも20歳年上(1927年生まれ)の人で1970年に「軍旗はためく下に」で直木賞を受賞している。その他に「ゴメスの名はゴメス」とか「白昼堂々」とか表題だけは聞いたことのある作品がある。

1996年1月24日に呼吸不全で急逝したそうだが、驚いたことに、この本が彼の絶筆らしい。この文庫本は8話で構成されているが、彼の愛用のワープロには次の第9話の冒頭7枚が残されていたと書いてある。

この本の各章は、殺人とか重い罪でなく刑に服している犯罪者たちの回想録のような形で構成されている。どこか憎めない、いつも損をする運命にある犯罪者たち。読んでいてもなんの感慨も湧かないし、読んだそばからその内容を忘れてしまう。結局、わたしにはつまらなかった。
(2006年2月22日読了) 

Posted: 2006年02月23日 (木) at 17:19 




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