美濃路殺人事件 / 内田康夫著(徳間文庫) 


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浅見光彦シリーズが続く。読み出してからしばらくたって、これも前に読んだことがあるなぁと思う。しかし筋などはすっかり忘れているのでとにかく最後まで面白く読んだ。 

今回は美濃という名前から多くの人が連想するように「美濃紙」という和紙がキーワードになっている。浅見光彦が愛知県犬山市にある「明治村」で起こった殺人に興味を持ち、話は発展して40年前の岩手県白石市での学童疎開まで遡っていく。週末がこのシリーズでは良く出てくる曖昧な形で終わっているのは八方丸くおさめるといういかにも日本的な感じ。

考えてみるとこのシリーズ、どこか「寅さんシリーズ」に似ていなくもない。浅見光彦 = 寅さん、という図式である。いつでも帰って行ける家族がいて、シリーズには必ずマドンナが登場し、お手伝いの須美ちゃん = 寺男のげんちゃん、というのも同じ。このシリーズが寅さんと同じように続いているというのにはこのへんにも秘密があるのかもしれないと思ったりした。わたしは「寅さん」大好き人間なので必然的に浅見光彦シリーズも大好きということになる。(^_^)

犬山市の明治村というのは1992年だったと思うが、一度訪ねたことがある。とっても面白かったのでまたいつか行ってみたい。この時は名古屋の文化センター大ホールのこけら落としでミュンヘン・オペラが引っ越し公演をしたのだった。サヴァリッシュの指揮で「影のない女」(演出:市川猿の助)「ドン・ジョヴァンニ」などを公演した記憶がある。
(2006年3月11日読了) 

Posted: 2006年03月12日 (日) at 12:40 




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