モスクワから来たスパイ / 高柳芳夫著(講談社文庫) 


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スパイを扱った小説というのは読んでいるようでこれまで余り読んでいない。読後感は、まあまあの線かな。

 

スパイ小説というのはパターンが限られているような気がして、わたしにとっては余り意外性というのがない。この本は、その点かなり趣向を凝らしてはあるがワクワク、ドキドキという気持にはならなかった。それに人がやたら簡単にバタバタと死ぬ(殺される)のも興ざめがする。

文庫本の解説を読んでみると、この作者は元外交官で在ベルリン総領事館の副領事だったそうだ。この時代はボンに日本大使館があってベルリンは総領事館だったというのも懐かしいものである。わたしの住んでいる München にも総領事館というのがあるが、わたしは余り近づいたことはない。別に、最近の外務官僚批判に便乗するわけではないが心のどこかで信用していないところがある。(^_^;)

この話の舞台はチェコのプラハである。プラハにはこれまでに2回訪問している。最初に訪れたときはまだベルリンの壁が存在していた時期、そして2回目はソ連邦が崩壊してからだったから、その雰囲気の相違にずいぶん驚いたものだった。プラハの知人には悪いけれど一観光客としては昔のプラハの落ち着いた雰囲気のほうが好きだった。
(2006年3月27日読了) 

Posted: 2006年03月28日 (火) at 16:54 




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