陽のあたるオヤジ・鮫のひとり言 / 大沢在昌著(集英社) 


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この著者の本はけっこう読んでいる。JAPAN CLUB には「新宿鮫」シリーズが数冊遭ったので、その小気味よいテンポに魅されて読んだ。きっとミュンヘン在住(だった?)の日本人のどなたかがこの作家のファンだったのだろう。(^_^)

 

「陽のあたるオヤジ」というのも妙なタイトルだと思って読み始めた。これは大沢在昌氏のエッセイ集だ。「週刊プレイボーイ」という週刊誌に1993年1月26日号から1994年7月5日号までに連載されたものを単行本にまとめたもの。要するに、この作家があと3年ほどで40歳になろうとしている頃に、歳をとりたくないと足掻いて見せた文章の数々である。歳をとるのが避けられない道ならば、せめて格好の良いオヤジでありたいというテーマで書かれている。

まあ、誰しもそういう時期というのはあるから、これは共感を持って迎えられるエッセイ集かもしれない。しかし、40歳になる頃に、わたしは自分が「オヤジ」だなんて考えもしなかったが、大沢氏のように突っ張って生きている人(本に書かれている内容を信じるのなら)には大問題なのかもしれない。(^_^;) わたしは50歳を過ぎた時にそれに似たような焦りを感じた。50歳でというのは自然なのか、それとも、わたしも突っ張りの端くれなのか。人それぞれだからこの世は面白い。(2005年5月30日読了) 

Posted: 2005年06月03日 (金) at 16:34 




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