闇の女王 / 半村 良著(集英社文庫) 



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この著者の作品は、比較的読んでいる方だろう。ドイツに渡る前にもすでに数冊読んでいるはず。かなりの職種を転々としてきた人らしく、そう思って読むと文章に隙がない感じもする。とにかく独特の世界を持った小説家。つい最近では「石の血脈」というのを読んだ記憶がある。この2冊の本から受けた印象ではセックス描写にちょっと違和感を感じないでもない。わたし自身が余りどぎつい表現を受け入れなくなってしまっているのかもしれない。 

この本は「性転換」をテーマとしている。ドイツも男同士のホモセクシャル、女性同士のレスビアンが多い。特にわたしの職業環境が芸術を扱っているもののせいか、わたしの周囲にはそういう人たちの割合が一般社会よりももっと多いようだ。昔から劇場環境におけるこのテーマはかなりオープンだったが、最近は一般社会でもごく普通のことになってきている。妙に隠したり、暴いたりしないで、ごく自然に受け入れられるのが一番最良の道のような気がする。(2004年9月10日読了)
 

Posted: 2004年09月14日 (火) at 15:46 




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