オペラへの招待 / 黒田恭一著(朝日文庫) 



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オペラの入門書というものは最近ずいぶん出ているようだが、オペラに関心を持ち始めた人に、これは是非お薦めしたい。わたしはオペラ劇場で仕事をしている身だから、わたしにとってはここに書かれている内容はほとんど既知のものであるが、それでも面白かった。わたしが音楽学生だった頃に著者が「暮らしの手帖」に連載を始めたのはわたしも読んでいたので憶えている。後書きを読んでみると、それを「朝日文庫」に移したものだそうだ。著者の暖かい文体が素敵だ。P225〜P227 にはわたしの職場であるミュンヘンのNationaltheaterのことが書いてあって興味深かった。その中の一節を引用しておく。
しかし、この劇場が真に誇るべきは、その内容であった。バイエルン国立歌劇場が全力投球した時の公演は、マイク・タイソンの必殺パンチのごとく、いつだって、オペラ好きをマットに沈めないではおかなかった。
 

  

Posted: 2004年06月14日 (月) at 16:41 




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