催眠 / 松岡圭祐著(小学館文庫)ハイジ文庫の中には先に読んだ「千里眼」と、この本の2冊が入っていたのだが、タイトル通りに「手当たり次第」に読んでしまったのでどうやら順序が逆になってしまったようだ。
この本の内容も催眠療法を含む精神病理と医療カウンセラーの世界を描いたもの。読み始めてから三分の2ぐらいまでは、ちょっと暗めの内容のせいか読むスピードが上がらなかったが、最後の方になって俄然面白くなってきた。エンターテインメント小説というのは、やはり最後に皆が幸せになってくれると気持がよい。 わたし自身も過去に2度ほど「この状態が嵩じれば精神病になるのかもしれない」と思ったことがある。一度はイタリア旅行の際に強奪にあった後しばらく続いた恐怖と不安感、2度目は急性肝炎の療養中に、遅々として進まぬ体力の回復に悲観した時。人間の心というのは恐怖とか悲観といったものに対しては、意外と脆いものなのかもしれない。(2005年5月22日読了) Posted: 2005年05月23日 (月) at 14:43
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