ドイツにおける投書 


昨日のエントリ「母と娘は似た者同士」に寄せられたぴかチュウまま さんのコメントに対して「ドイツは投書しがいのある国だ」と書きました。というのはこれまでに数回の経験があるからなのです。 

まず、その最初は、われわれが結婚したばかりの20数年前。ブリギッテの叔母さんの一人が音頭をとり、親戚中に回状を回してわれわれの新生活のために生活用品を整えてくれたのですが、そのなかに、Thomas の食器類がありました。この銘柄はドイツでもかなり名の通ったものです。さて、この食器類の中の大皿を食器洗浄機に何度か入れたら淵の褐色の線がだんだん色あせてきて、なんと、皿がゆがみ始めました。皿の裏にはちゃんと「食器洗浄機を使っても大丈夫」という但し書きがしてあります。ブリギッテは早速 Thomas 社に手紙を書きました。すぐに届いた返事は「ご面倒でもゆがんだ皿を送っていただけないか」ということでしたので、ゆがんでしまった皿(確か6〜7枚)の中の一枚を送りました。数日あとに Thomas 社からお詫びの手紙と共に、われわれが申し立てた枚数通りの新しい皿が届きました。とても迅速で、丁寧な扱いでわれわれも Thomas 社に対して好感を持ったのを憶えています。

それ以後も、何度か、これに似たようなことがありましたが、ガッカリさせられた対応というのは経験がありません。

そうそう、つい最近も次のようなことがありました。次女のユリアがコンタクトレンズをつけたいという希望で Fielmann というお店に出掛けテストレンズを買いました。Fielmann というお店は最近成長を続けている眼鏡の安売り店でミュンヘン市内にも数店の支店があります。偶然ですが、そのあとで、ミュンヘン市内の別の場所にある Fielmann の支店ではテストレンズは無料だということがわかりました。おまけに、お金を払わせられた店の店員は非常にぶっきらぼうで不親切だったそうです。それを聞いたブリギッテが Fielmann の本社に「どうして店によって違うのかを説明して欲しい」という内容の手紙を書きました。その結果は、丁寧なお詫びの手紙と Champagne (本物のシャンペン) が一本届きました。(^_^)

こういう経験があるものですから、納得がいかない時にはすぐに手紙を書く習慣が付いてしまっているようです。感心するのは彼女のそういう手紙が、決して相手を追いつめる詰問調ではなく、ユーモアに溢れたちょっと皮肉な調子で書かれていることです。読んだ相手がちょっと苦笑を浮かべてしまうような手紙、といったら想像がつくでしょうか。「お主、なかなかやるな」という感じです。(^_^;) 

Posted: 2004年12月14日 (火) at 21:52 




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