テレビのリモコン 


われわれの寝室にあったテレビが壊れてしまい、つい最近、知人から中古のテレビを譲って貰った。最初から「リモコンがうまく働かないからね」と言われていたとおりボタンを押してもその時によってうまくチャンネルが変わったり変わらなかったり。 

昨夜は休養中とあってわたしには珍しく22時にはベッドに入って読みかけの本を読んでいた。暫くすると妻も隣のベッドに入りテレビをつける。わたしが本を読んでいると隣からカチカチという音となんだか力仕事をしているような一生懸命な気配が伝わってくる。

本を読むのを中止して横目で見ていると、彼女は腕を精一杯テレビに向かって伸ばし、力いっぱいボタンを切り替えている。自分の見たいチャンネルになかなか行きつかないらしい。

わたし
「リモコンなんだから力を入れても入れなくても関係ないし、腕もそんなに緊張して伸ばさなくったっていいんじゃないの」

「そんなことは分かってますけど、より近くでより力を入れてやればテレビだって分かるような気がするの。気分の問題よ、気分の。」 

Posted: 2006年01月25日 (水) at 09:34 




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