「春一番」 


昨日のこと。午後、職場にいるブリギッテから電話が掛かってきて、今夜のわたしの帰宅は何時頃になるかを訊いてきた。多分23時ぐらいになると思うと答えるとそれだけで電話が切れた。別に気にも留めなかったのだが、帰宅して居間に入ったらビックリ。わが家には外界よりも一足先に「春一番」が吹き荒れていた。 

居間に入るとなにやら明るい光がパーッと目に飛び込んで来た。一瞬、何だろうと思って見るとソファの一部と1人掛けの椅子のカバーが凄い色になっている。「なに、これ?」と尋ねると嬉しそうな顔で「春らしくパーッと明るい色にしてみたの、どう?」ときた。
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これには伏線があって、以前から彼女は居間のカーテンを交換したり部屋の壁の色を替えたがっていたのだ。それに対して、わたしは今のままが良いので彼女に反対していた。壁の塗り替えなどする羽目になったら、わたしにもその労働の負担が掛かってくるのは必至だからわたしはやりたくないのである。かのじょにしてみれば、わたしに相談すればまた拒否されるからと、わたしの留守の間に決行したということだ。一昨日の日記に書いたように、彼女がこのところ、何かやりたくてウズウズしていたのは気がついていた。それがこういう形で現れるとは!(^_^;)

ところがこれで終わりではない。テーブルの上には黄色と緑の染料が乗っていて、それで残りの布を染めるのだそうだ。我が家の居間の椅子は最終的に橙、黄色、緑の3色になるらしい。ちょっと想像がつかない。しかし、この橙色はどこかで見た色だと思ったら、そう、蛍光色にはなっていないけれど、ゴミの収集や歩道のお掃除をするおじさん達が着ている作業服の色である。それをカローラに言ったらなんとも複雑そうな顔をして頷いていた。

彼女がこれを思いついたのは昨日の午前中で、早速、お昼休みを利用して染料を買ってきたらしい。やることが素早い。職場の同僚たちに彼女の計画を説明したら皆、異口同音に "mutig!" (勇気があるという意味だが、この場合は無鉄砲ね、という含みがある)と言ったそうである。それが普通だろうとわたしも思う。まあ、犬を飼われるよりもいいかと思って静観することにする。
 

Posted: 2006年03月14日 (火) at 18:54 




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