オーケストラ付き舞台稽古(1) 


快晴 / 外気温0度
8時起床。今日は11時からの舞台稽古だということが頭にあったせいか、寝過ごしてしまった。そのおかげで妙な、いやに生々しい夢を見る。 天気の方は昨日に続いて快晴で空気が透き通っているせいか寒さも厳しい。太陽が出ているにもかかわらず0度以上にはならなかった。夜になって22時の気温はマイナス8度である。 

昨日の Schlussprobe が終わってホッとする間もなく今日はオーケストラ付きの舞台稽古があった。昨日までの舞台稽古が演出面に重きをおいたものだとすると、今日と明日の2回の舞台稽古は音楽面のバランスを取るものである。一度だけ舞台裏で歌う場面があるのだが、その音量の調整に何回か同じナンバーを歌わなくてはならなかった。そういうことだから衣装もメークもつけない練習で、その点は面倒がない。ただ歌手は全員普通の音量で歌わなくてはならない。

しかし今日は Edita Gruberova の調子が悪いのかどうか、1幕の最初を試しただけで彼女は引っ込み、韓国人のカバーの女性が後を引き継いだ。彼女も決して悪くはないのだけれど Edita Gruberova と比較すると次元が違う。例えば1幕の有名なアリア "Casta diva" は彼女なりにキッチリと歌っていて合唱団からも拍手が湧いたほどだったのだが、彼女の場合はあくまでも一人のソプラノがあのアリアを歌っているという感じ(2次元の世界)だとすると、 Edita Gruberova の場合はアリアそのものに人格があるがごとくに一人でに空中を飛翔しているように(3次元空間)聞こえる。聴いていてまさしく次元が異なるのである。 Edita Gruberova の歌はベルカントではないという批判を時々見かけるが、彼女の歌をたびたび身近で聴いているわたしとしては、彼女の歌も Bel Canto の一翼ではないかと言いたい。

14時に終了し、 Rosenheimerplatz まで歩いて戻る。どうしたことか路面電車の替わりにバスが来たのでそれに乗って家まで戻った。一人で昼食をとってメールを書いたりしているとカローラが学校から帰ってきた。16時から1時間ほどソファーの上に横になり久し振りに仮眠を取る。夜は18時45分から20時15分まで音楽稽古。 "Der fliegende Holländer" と来週の火曜日から始まる「仮面舞踏会」(ヴェルディ)の二つをさらう。午前中からの3時間の舞台稽古のあとは声も身体も疲れているので集中力に欠けているのが自分でも分かった。(-_-;) 明日も11時から14時まで2回目のオーケストラ付き舞台稽古がある。 

Posted: 2006年01月11日 (水) at 22:11 




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