幸運の連続で気持ちよくオペラを観ることが出来た話

クリスマスイブの前日(12月23日)の公演 Nationaltheater :プッチーニの「三部作」(IL TRITTICO) に行けなくなったからと切符が廻ってきた。わたしも観たいと思っていた演目だったから嬉しかった。そしてその当日である。

ブリギッテと二人、ゆったりと家を出て劇場には25分前に到着。休憩時にゆっくり楽しもうと飲み物と席を予約してから観客席へ。われわれの席は Palket 5列目のいちばん右端の2つ。だんだん席が埋まってきて第一ベルが鳴った頃、年配のご夫婦がわれわれの席に座ろうとしている。

ブリギッテが「確かにこの席ですか?」と訊ねると彼達の切符を見せてくれた。間違いない。一瞬ダブルブッキングかと思いブリギッテは急いで係員に連絡するため客席を後にする。そのうちに第2ベルが鳴り始めた。もう客席に全員が座った頃にブリギッテが係員と一緒に戻ってきてわれわれの重大な間違いを知った。

友人から廻ってきた定期会員券をあらためて見てみると、なんとわたしたちの切符に割り当てられた「三部作」(IL TRITTICO) の日付は12月20日になっていた。完全にわれわれのミスであって、正規の切符を買って座っていたお二人には申し訳のないことをした。

ブリギッテが戻ってくるまでに奥様の方(アジア人)と話していたのだが、このお二人はわざわざハンブルクからオペラを観に来た人たちで、われわれを咎めてもいい立場なのにとても気持ちの良い親切な応対を見せる紳士淑女だった。

そうしているうちに最後のベルが鳴り始めた。見ると同じ列の1つ置いた席が二つ空いている。一緒についてきてくれた係員の人が「もう、どなたもいらっしゃらないでしょうから、そこに座ってお聴きなってもけっこうです」という親切な申し出。

わたしはその席に座り「休憩のあとにこの席の切符を買った客が来ても仕方がない。「外套」と「修道女アンジェリカ」を見られただけでも幸運だった」と思い舞台に集中する。そして休憩に入った。

開演前に予約してあった席には白ワインとソフトドリンクが準備されていたのでそれを楽しみながら「これで帰宅することになったとしても今日はじゅうぶん楽しめたね」とブリギッテと話す。

休憩が終わり念のために観客席に戻ってみると、われわれの座っていた席は依然として空席である。客席の扉が閉まるまで待ってからまたそこに座って「ジャンニ・スキッキ」を楽しむことが出来た。なんたる幸運!

最後にもう一つ良いことが。クロークでコートを受け取って正面玄関から外に出るとちょうど路面電車19番がやって来るのが見えた。小走りに急いでトラムに乗車、そして最後の幸運は乗換駅でトラム25番がすぐ後ろからやってきて待ち時間ゼロだったこと。22:30に劇場を出てからなんと30分でわが家に帰宅できたことになる。

わが家に落ち着いてから、今回は事前に切符を確認しなかったわれわれのミスだけれど、ブリギッテは確かに23日のオペラに行けなくなったから代わりに行って欲しいという持ち主からの留守電を聞いたと言う。

そこで保存してあった留守電をもう一度再生してみたら「・・・22日、いや、23日のオペラに行けなくなったから・・・」という伝言が入っていた。ということは100%われわれのミステークではなかったわけでちょっと気が楽になった。ひょっとするとこの切符を持つ当人たちはこの夜、自分たちが行けたのかもしれない。

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