短い介護経験から得たこと

1.基本的に個人での介護は無理がありすぎて絶対に家族の誰かを不幸にする。
2.年齢を重ねたら健康なうちに然るべき時点で介護センターに入所出来る準備(蓄え)が必要。
3.介護保険はしっかりと掛けておくべき。
4.公的に利用出来る制度は積極的に利用すべし。
5.本人が望まないのに入院させ延命させるのが幸せとは思わない。

ブログをしばらく休止した理由。

今となってみればわずか16日間の介護で義父は亡くなった。正直な感想はよいタイミングで亡くなってくれたというもの。わたしの人間性を疑われるような事を書くがこれが本音である。

今日から全てが以前通りに回転し始めた。義父を引き取ってからも毎日日記は書いていた。しかし、その内容がだんだん暗い方向へと引きずり込まれていき、1週間後の日記は愚痴が多くなってきた。こんなものは誰も読みたくはないだろう。

介護をすることになったと書いたときに多くの知人、友人から「頑張って!」「身体を壊さないように}という励ましの言葉をいただいた。ありがたいことである。しかし介護の時が進んでいくと、それらのお言葉に返事を書くのがつらくなってきた。それらの言葉によって救われるということは決して無いからである。

このあとに読んだ本でそんなわたしの気持ちにピッタリの場面がでていたので引用しておく。

(引用開始)
それにしても、会うごとにどの友人にも「どう、落ち着いた?」と訊かれるのには、留美子は閉口した。父親の不幸な事件のショックから立ち直ったかーという慰藉の言葉には違いないのだが、そのつど、さりげなく平然を装ってみせるか、もっともらしく深刻ぶってみせるか、存外、難しいものである。(p.298)
(引用終わり)

励ましてくれたコメントへの返事がだんだん遅くなったりする自分が卑小に思えてそれがまた自分を苛んだ。こうしてネガティブ・スパイラルに落ち込んでいくのだという自覚があった。これからあとも介護をすることになった知人、友人がいたら何も言わずにそっと見守って上げたいと思う。

出口の見えないトンネルの中に自分がいると自覚するのはつらいものである。

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