10歳ーその3

こんな事を書きながらじつはわたしも過去に似たようなことを末娘にしている。それは娘がまだ11歳にならない1997年の夏のことだった。11歳からは航空運賃が大人並みになるからである。

東京に数日滞在している間にどうしても秋葉原は1度訪れておきたかった。しかし10歳の娘連れでは行動範囲が狭まるし何軒も廻れない。

そこで秋葉原駅の改札口を出てすぐ左にあったバーガーを売る店に入りハンバーガーとフライドポテトを娘にあてがい「パパは1時間で戻ってくるからここに座って食べていなさい」と言いおいて電気店巡りを始めた。

1時間あとに戻ってみると娘の前にはまだフライドポテトが残っていて「なんだ、食べなかったの、おいしくない?」と訊いたら目に涙を浮かべながら「パパが戻ってくるかどうか不安で喉を通らなかったし、わたしフライドポテトはあまり好きじゃないの」と言われてさすがのわたしも自責と後悔の念に駆られた。そのとき末娘はまったく日本語を解しないし話せなかった。なんという父親だったんだろう。

日本に戻って妻にその話がばれ、キツイおしかりを受けたのは、今では自業自得だと思っている。そのあと故郷に帰ってそこで急性肝炎を発症しドイツに戻るまで寝込んでしまったのはその罰が当たったのかもしれない。あの夏も日本は強烈に暑かった。

10歳ーその3」への2件のフィードバック

  1. 下の娘が10歳のとき二人でサンディエゴに出かけたとき、ロスアンジェルスでパスポートを探して娘と距離が離れたとき、サポートのおばさんに「ここはUSAだから娘を一人にしちゃ絶対ダメ」と、えらく怒られました。

    同じように不安で食事が喉を通らなかったようで、気分転換によったハワイでようやく食べてくれるようになりましたが、ダメ親父でした(^_^;。

    • kohatchan さんはそういう事情だったら決して駄目親父ではないですよ。わたしはMacの店に行きたい一心でしでかしたことですから申し開きが立ちません。ダメダメダメ親父です。(^_^;)

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