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2006年08月29日

シエーナ (Siena) へ

曇り / 外気温20度
7時半起床。昨夜もグッスリと眠れて朝まで一度も起きなかった。明け方に少し雨が降ったようで外の石畳が濡れている。しかしわれわれが起きた時点で雨は降っておらず昨日と同じペースで始まった。今日は曇り空ということもあり、観光しても余り暑くないから Siena に行ってみよう。わたしにとっては3度目の、ブリギッテにとっては2度目の訪れとなる。

朝の水泳を終わってきたブリギッテに起こされて、シャワーを浴び終わったあと朝食。昨日、卵とクロワッサンを買ってきたので今日はちょっと贅沢な朝食となる。そのあと準備をして、しっかりと戸締まりをし、10時少し前に出発。

例によってカーナビに頼り、目的地をシエーナ (Siena) と打ち込んで出発。今日も「最短時間」を設定して走り出したのだが、途中一箇所だけ道路標識と異なった道筋を選び、不安を感じさせる案内があったので、そこだけは道路標識通りに走って無事に目的地に到着。今日までカーナビを使ってみて、ここまで値段がこなれてきた今、これは買っても損のない器機だと思う。

image Siena は相変わらず観光客が多い町だが夏の最盛期はもう過ぎたような気がする。街の中心地には車を乗り入れることが出来ないので、適当なところに駐車して徒歩で観光する。この街はわたしは3度目、ブリギッテは2度目の訪問である。最初に訪れたのは1988年夏だったと思うのだが、Sawallisch 氏の指揮、Nationaltheaterのオーケストラで、この街の中心にある教会 Duomo でブラームスの「ドイツレクイエム」を演奏した。

image これはいまだにわれわれの間で語りぐさになっている感動的な演奏会だった。われわれ演奏している側もそうだったが、聴いている聴衆から発散される空気感がそれに溶け合って、実に透明、且つ緊迫感に溢れたものとなり、教会内が不思議な力に満たされるような昂奮を憶えたことを思い出す。現在、この Duomo 正面は修復工事のためか覆いがかぶせられていて少し残念だった。中へ入ろうかと思ったがかなりの行列が出来ており、入館料も6€と高かったので、入り口からチラリと中を覗いただけで終わる。

もう一つの見所である、有名なカンポ広場もそれほど一杯の人ではなかった。歩き回ってちょうどつかれた頃でもあり、その前に数枚の絵はがきを買っておいたので、広場に面した Café に座る。エスプレッソを頼みブリギッテは両親、娘たち、友人に絵はがきを書き始めた。わたしはボンヤリと広場に集まる人々を観察。これもまたなかなか楽しいものである。見ていると、赤いベレー帽をかぶった中年の男性が道行く人に様々なちょっかいを出して、 Café に座る客に対してパフォーマンスを見せているのに気がついた。これがなかなか傑作で仕掛けられた人もそれに気がつくと楽しく笑って済ませている。中には怒り出す人があってもおかしくない、とわたしは思ったのだが、わたしが見ていた間にそういうことはなかった。道行く人の中から、人を選んで仕掛けているということで、これはなかなか大変なことである。

image     image13時半頃に街を出て帰途についた。帰り道も往路と同じ道路を走り無事に別荘まで戻り、そのあとはプールサイドで本を読みながら時々プールに浸かるという、まるで映画にでも出てくるような結構な気分。5時を過ぎる頃から風が強くなってきたのでプールサイドを引き払い夕食の支度に掛かる。

今夜は昨日スーパーマーケットで買ってきた「タコの酢漬け」とトマトサラダ、メインは細長いクチバシの尖った骨が緑色の魚。名前は何というのかわからない。あっさりとした味でなかなか美味。夕食のあとはテレビニュースを見る。ここは衛星中継でドイツのテレビ番組も見られるようになっている。ニュースのあとも引き続きテレビを見ていて9時頃にスイッチを切ったあとは、それぞれに、持ってきた本(わたしは深田祐介著の炎熱商人)を読み続け11時頃に就寝。明日もいい天気だと嬉しい。