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2006年12月13日

「ウェルテル」のゲネラルプローベを観る

晴れ / 外気温11度
7時起床。今日はいつもと異なるリズムで一日が過ぎてしまったせいか、自分が自分でないような妙な気分である。今日の天気を書こうと思って、はて、今日は晴れていたのだろうかそれとも曇りだったろうかと、改めて考えていた。

10時からの音楽稽古に向かうためいつも通りに家を出る。これまで歩いていた Max-Weber-Platz からの緑多い美しい道は階段のところが冬になって閉鎖になってしまった。滑って危ないからという理由らしい。ということは回り道になってしまうので、これからは Rosenheimerplatz で下車して歩くことになるかもしれない。

11時半に音楽稽古が終わって12時から始まる「ウェルテル」"Werther"(マスネー作曲)のゲネラルプローベを観た。 Premiere は3日後の16日(土)である。わたしはあまりゲネプロを観ることはないのだが、今回はタイトルロールを歌うのがマルチェロ・アルバレスということなので、これは観ておかなくては。現在私の中では3本の指に数えてもいいテノールの逸材だと思う。

「ウェルテル」というオペラはもう20年以上も観ていない。ドイツに来たばかりの頃にブリギッテ・ファッスベンダーがシャルロッテを歌っていたのを観たはずだが記憶には残っていない。音楽面で、予習無しで観ると少し退屈だなと思える部分がある。

今回の配役は二人の主役が声も演技も立派で申し分なし。アルバレスは高音の輝きも勿論だがメッツァヴォーチェ (Mezzavoce) での表現が素晴らしかった。有名なアリア「春風よ、なぜにわれを目覚めさせるや」の深く多彩な、そして柔らかな表現は彼の弱音のテクニック無しには生まれなかったものだろう。そのテクニックゆえに、既に虫の息となった死の間際の表現力もいっそう真実味を帯びていた。余談であるが、わたしは音大の3年生の時の試験でこのアリアを歌った。(汗) もう一方の主役、ゾフィー・コッホも魅力溢れるビロードのような柔らかな声で、わたしは好ましく感じた。きっとこれから大きくなる人のように思える。

終了したのが3時40分頃でそれから Rosenheimerplatz まで歩く。帰宅するとすぐに住居のカーテンを閉じるくらいに周りは薄暗くなっていて、ひどく短い一日のような気がした。歩数計を見るとまだ八千歩を超したぐらいなので、コーヒーを飲んで一休みしたあと6時半頃から家の周りを散歩する。これで一万二千歩ほどになる。(笑)

この時間でも散歩をする人はけっこう多いのだが、今日出会った人の中には炭坑夫の付けるようなヘッドランプを付けてかなりのスピードで歩いている人達もいて、そのユーモラスな姿に笑ってしまった。犬を連れている人達もいたが、ほとんどの犬たちは首に光を反射するバンドを付けられていて、事故に遭わないように配慮してある。