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2007年03月18日

還暦

誕生日、そして還暦である。写真などもあって長くなるので別エントリとした。

歳をとってきたせいだろう、最近はパーティとかお祝い事とかに出席するのは億劫になっていて、ましてや自分の誕生パーティを企画して人を招いたりというのは論外だと思っていた。今回は60歳というキリの良い誕生日で、ドイツの習慣としてはけっこう盛大なパーティをする人が多い。しかし、そういう理由でブリギッテには「誕生パーティはやらないからそのつもりでいて」と半年ぐらい前から言っておいた。彼女もそれを納得して受け入れてくれたと思っていたのだが…。

昨夜寝る前に明日はお母さんも招いて簡単な日本式朝食をするので、その準備のために10時半まで居間に出てきちゃ駄目よ。メールチェックするならPowerBookG4もベッドのそばに持っていっておいてと言われていた。昨夜は午前2時頃の就寝だったから、珍しく9時半頃まで眠れて、のんびりとシャワーを浴びていた。すると、ドアの外から○○○さんが今、来るから早くシャワーを済ませて。少し身ぎれいなものを着てねと彼女の声。ちょうど頭髪を洗っている最中だったので、誕生日だからといえ、なんだってこんな朝早くから来るんだと一人でブツブツ言っていた。手早く身支度を調えて居間に来てみるとなんだか凄いことになっている。

台所にはずらりと料理が並び、食卓と居間のテーブルセッティングもすっかりパーティ用に整っている。まるで魔法に掛けられたよう、とはこういう事を言うのだろう。彼女も昨夜は午前1時頃の就寝だったし、いくら早起きして準備したとしてもこれだけのことをするには時間が少なすぎる。驚きのまま写した写真を整理もせずに並べておく。

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そうするうちに時間は11時近くとなり、玄関のチャイムが立て続けになり出した。わたしたち夫婦の知人達が、そしてわたしの職場での同僚達が訪れてくれてその数15人。義母と家族を加えると20人を超える数。これらの人達にはブリギッテから一ヶ月前に招待の知らせが届いていたようで、知らないのはわたしだけだった。昨夜一緒にリゴレットを演った同僚など、昨夜はそんなことおくびにも出さなかった。(笑)

一同揃ったところで知人達が「今日の挨拶はブリギッテに喋らせないで、お前自分でやれ」と言われ、間違いだらけの拙いドイツ語で感謝の言葉を短く述べ、そのあとはごくごく気楽な会食と会話と言うことになった。皆それぞれに趣向を効かしたプレゼントを贈ってくれたがその大半が「赤色」。どうやらブリギッテが日本の還暦祝いは赤いものを着るということを教えたらしい。(笑)

友人達に聞いてみたら、ブリギッテからパーティの招待があったのはなんと一ヶ月ほど前らしい。彼女に言わせると、一番難しかったのはわたしに気づかれないように秘密で準備することだったとか。宴が終わってみれば、こうまでしてくれたブリギッテに感謝せずにはいられないのだが、彼女にはもう少し、自分の身体をいたわってくれたらとも思ってしまう。