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2007年04月04日

白鳥殺人事件 / 内田康夫著(光文社文庫)

image 相変わらず面白い。日本に不在なので詳しくは知らないのだが、どうもグリコ事件をを材料にしたもののように思える。

いつもながらの登場人物で、話は進んでいく。わたしはグリコ事件というものがどんなものであったか、詳細を知らないのだが、筋を追っていくのはそれなりに面白かった。この作者のこのシリーズは全編を通してのトーンがカラリと明るくて、おどろおどろした感じとか、やりきれなさとかを感じさせないのが好き。

作者自身も本の中で述べているのだが、この浅見光彦シリーズは犯人を必ずしも悪人として扱っていないところが嬉しい。人間、長く生きていると、「ああ、あの時はちょっとした物のはずみで犯罪行為になっていたかも知れない」と思って冷やりとすることが二つや三つあるものである。
(2007年4月1日読了)