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2007年05月14日

63歳のウェブデザイナー

今朝、いつものようにBlogの巡回をしていて「目から鱗が落ちる」思いをする記事を読んだ。Katsuji Asada 氏が述べている。 63歳の世界的デザイナーが挑む、新しきウェブデザインの世界 - CNET Japan 読む人によっては「臭い」と思われるかも知れないが、わたしには素直に受け取れた。

ものを省いていった先に得られる素晴らしい世界、というのはいかにも使い古された日本人的感覚ではあるが、それを Web Design の世界に持ち込んだあたりがユニークに思える。3ページにわたるこの記事の最後の方には、彼の年齢 (63歳) なりの人生訓みたいな部分も出てきて、ここはちょっと引っ掛かる人もいるだろう。だが、1ページ目の「線」に対する考察はデザインの世界に疎いわたしをハッとさせた。下には気に停まった部分を引用してみたが、引用という行為にはわたしの主観が含まれてしまうので、興味のある方は全文を読まれることをお薦めしたい。

僕はグラフィックの中でも、ものを省くことがデザインだと考えているんです。デザイナーは今までものをくっつけすぎた。ものを省いていくと、シンプルで、すごく強くて、きれいでなかったら残らないんですよ。例えば花瓶も花が入っていれば花瓶になるけれど、花も入っていない状態で置いてあったらただの瓶でしょう、どんなに美しくても。

63歳の世界的デザイナーが挑む、新しきウェブデザインの世界 - CNET Japan から2007年5月14日に引用

線というのは、囲ってしまうとその中だけの世界になっちゃうんですよ。白というのは空間がある。広がりがある。毎日画面を見ているんだから、この画面だけでもつらいのに、その中の世界をもっと小さくしてしまうとね。

 線がすべて悪いわけはないんですが、線でデザインされているとモザイクみたいな雰囲気になる。逆に線がなくなると気持ちにもビジュアルにも広がりがある。

 だから、空間というか、日本人がずっと持っていた間(ま)というんですかね。時空とも言いますが、その間(ま)が白の世界の中に、線を取った世界の中にあるんじゃないかと思います。

63歳の世界的デザイナーが挑む、新しきウェブデザインの世界 - CNET Japan から2007年5月14日に引用

フォーカスがないのはだめですね。人がどんなことでも情熱や気持ちをすべてを費やせば、それほど美しいものはないというぐらい、自然と優しさとか思いやりが生まれるんじゃないかな。これがすべてだと思っています。

63歳の世界的デザイナーが挑む、新しきウェブデザインの世界 - CNET Japan から2007年5月14日に引用