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2007年11月08日

反省を籠めて(長文です)

このカテゴリーはずいぶんサボってしまっていた。このまま尻切れトンボになるのは残念なので再開する。下に列記したものがこれまでに読んだものだが、もしかすると記載漏れがあるかもしれない。又ボチボチと始めます。(汗)

これまでいちおう読了したものはスキャナで表紙の画像を保存しておいたので表記漏れがあったとしても数冊だろう。順不同で作家別に並べてみたが、こうしてみるとわたしの読書傾向というのもミーちゃんハーちゃんの部類に入りますね。雑誌でいうと「オール読み物」の世界かな。(笑) それでも先回の芥川賞受賞作品を読んで大いに落胆し、怒りを覚えるほどだったので「オール読み物」結構じゃないか!と開き直っている。

1.男だけの世界/五木寛之著(中公文庫)
2.勝負の極意/浅田次郎著(幻冬舎アウトロー文庫)
3.絶対幸福主義/浅田次郎著(徳間文庫)
4.天切り松闇がたり・闇の花道/浅田次郎著(集英社文庫)
5.天切り松闇がたり・残侠/浅田次郎著(集英社文庫)
6.天切り松闇がたり・初湯千両/浅田次郎著(集英社文庫)
7.虹の交響/髙樹のぶ子(講談社文庫)
8.横山大観殺人事件/内田康夫著(徳間文庫)
9.佐渡伝説殺人事件/内田康夫著(角川文庫)
10.城崎殺人事件/内田康夫著(徳間文庫)
11.津和野殺人事件/内田康夫著(光文社文庫)
12.指揮のおけいこ/岩城宏之著(文春文庫)
13.オーケストラの職人たち/岩城宏之著(文春文庫)
14.こぐこぐ自転車/伊藤 礼著(平凡社)
15.星の衣/高橋 治著(講談社文庫)
16.天の川の太陽(上・下)/黒岩重吾著(中公文庫)

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印象に残っているのは「天の川の太陽」(上・下)かな。これは読みごたえがあった。小説だとは思っていても「壬申の乱」という歴史の部分はとっても面白い。

内田康夫の推理小説は4冊読んでいるが、登場人物のキャラクターが彼の小説の面白さの大きな部分を占めているのか、あらすじとか事件のことは読んでしばらく時が経つとすっかり忘れている。しかし旅行中の電車の中で読むのには適した小説。

浅田次郎の5冊の本はそれぞれに作者の様々な人間的側面を見せてくれて、なかなか濃いものがあった。読み手に対するサービスという点で、この作家は抜群の力量を持っていると思う。わたしがこうあるべきだと思う直木賞受賞作家の1人である。

伊藤 礼著の「こぐこぐ自転車」はこの夏にSlow Cafeさんからプレゼントされた本。わたしよりもかなり年上の著者だがところどころ身につまされる部分があったりして面白く、一気に読み終わった。読み終わってすぐには「わたしも自転車を始めてみようか」と思ったりしたが、現在のわたしは歩くことの方が楽しい。そういう世界があるということを読み知っただけでも価値のある本だった。Slow Cafe さんに感謝。

わたしの好きな作家の中に入る髙樹のぶ子氏の「虹の交響」は、ちょっと期待はずれ。この作家の本は当たりはずれの振幅が大きいような気がする。

指揮者、岩城宏之氏の二冊の本は洒脱で面白いのだけれど、それだけという感想を持った。確かに筆は立つけれども、やはり余技と呼ぶべきものではないか。岩城宏之 - Wikipediaを見るとかなりの本を出しているようだが、それほど食指は動かない。この二冊は故郷の Book Off で購入したもの。

最近わたしが一押しの作家が高橋 治。今回読んだ「星の衣」はかなりの長編。沖縄伝統の織物を縦糸にそれに関わる2人の女性を横糸に(なんという陳腐な表現)した小説である。半ばくらいまでは引き込まれるように読んだのだが最後の方ではなんだか著者の息切れを感じてしまった。それでもこの作家には文章それ自体に読者に問いかける部分がかなり多いので、読んでいて充実感を享受できることは確かである。その点では今回も大いに満足した。