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2009年01月05日

珍しく強行スケジュール

月曜日・曇り / 外気温マイナス2度
7時起床。今日も寒く、なにやらせわしない一日だった。スケジュールが詰まっていたからだろう。日記も次の朝起きてから書いた。珍しい。

10時半から Palestrina のオーケストラ合わせがあっていつもの時間に出掛けた。10時だと思って出掛けてしまったので、会場に着いたときには合唱はわたし一人。一瞬ドキッとした。すぐに予定表を見間違えて早く来すぎたという事がわかりそのまま Simone Young の指揮ぶりを観察していた。

さすがによく準備してきていて、オーケストラへの指示もてきぱきと与えている。かなり貫禄が付いてきて、初めてミュンヘンで振った頃 (記憶では現在のDie Fledermausを指揮したときだと思う) とは大いに変わって内側からの自然な自信が醸し出されている。ハンブルグでGMDを勤め、良い評判が聞こえてくるのもなるほどと思う。

それが終わって12時半からメーク係の部屋へ。2月に来る "Lucrezia Borgia" のために頭の型をとる事になっていた。薄いナイロンを頭にかぶせて固定し、その上からギプスを貼り付けていくのである。知らなかったのだが、顔の部分もとる事になっていて、鼻の穴を除く頭部をすっぽりと石膏にとられた。なんの事はない、デスマスクをとるのと同じである。耳の穴にも脱脂綿を詰めてその上から石膏を塗られるから外界の音はほぼ聞こえなくなり、勿論、目も見えはしない。この状態が10分くらい続くから、かなり異常な感覚である。次にやるときには死んでからにして貰いたいものだ。(^_^;)

終わったのが1時半。それから Rosenheimerplatz まで歩いたがその途中で食品の買い物を済ませる。7日に日本人の同僚たちと新年会をやろうと計画していて、わたしは豚汁を作る事にしたのでその材料である。帰宅したのが3時近く。それから簡単に昼食を済ませて、次はビールを買いに走る。1時間ほどホッとしただけで5時20分過ぎに夜の舞台稽古に出掛けた。

今夜の舞台稽古は第二幕でピアノ伴奏だが指揮台には Simone Young が座っている。ここでも彼女はかなり厳しい駄目出しをして、その部分を数回繰り返した。わたしにとっては自分の確認にもなるので大いに好感を持った。合唱の場合は、芸術云々という前にまず舞台上での確実さが大事だと思うのである。この段階になあなあで済ませてしまうと、後になってその不確実さはさらにあやふやになってしまう。レパートリー・システムというのは、ある出し物がまた数ヶ月後とか時によっては数年後に上演されるから、舞台稽古の段階できっちり詰めておかないといけない。これをドイツ語では Bombensicher (爆撃に堪えうるほど絶対確実にという意味) と表現している。(^_^;)

今日はこの後にもう一つ予定があって、それはブリギッテの両親との会食。クリスマス、新年が終わる頃に、義父が家族をレストランでの食事に招くのが通例になっている。わたしの舞台稽古が終わるのは夜の9時だから、その後すぐに来れるようにと劇場が歩いて2分くらいのところにあるタイ料理店を予約しておいた。わたしが駆けつけたときには食後のコーヒーを頼む頃だったが、わたしはビールと料理を頼んで後を追いかける。ブリギッテが捜してきたタイ料理店だったが、雰囲気の良いおいしい料理店だった。またいつか行ってみたい。

帰宅して、さてブログを書こうと思っていたら、ブリギッテが iMac で予約録画しておいたテレビ番組を見たいという。わたしも疲れていたので彼女に iMac を明け渡して今夜はおとなしく就寝。